商人なら、身内に不幸があっても翌日には店を開ける。待っている人がいるのだから。そんな話をよく聞かされた。歯を食いしばって笑顔をつくり、客を迎えるのが、商売の基本だと
ところが、成人の日を前に、振り袖の着付けや販売などを手掛ける横浜市の業者「はれのひ」が突然、営業を取りやめた。晴れ着を着られなくなった新成人が相次ぎ、式で晴れ着姿を披露できなかった人も続出したという
多数の業者が送ってきたダイレクトメールの中から選び、着物とバッグ、草履を計約30万円でレンタル予約した人、2年ほど前に予約し、振り袖の購入費も含め約60万円を支払った人・・・
一生に一度の「ハレの日」を心待ちにしていた新成人や両親らから落胆とともに、強い憤りの声が上がったのは当然だ。店に人の姿はなく、何の前触れもなかった。「はれのひ」という名も泣いている。商人の「道」を踏み外したと言われても仕方なかろう
信用調査会社によると、創業は2008年、もう10年になる。人をだます、欺くという商売は断じてしてはならないのに、どうして
図らずも、「道」を説いたのは福岡市の店舗責任者だった。社長と連絡が取れない中で「お嬢さんたちを泣かせるわけにはいかない」と顧客の着付け作業に当たった。人を泣かせるのではなく、喜ばすのが商人だ。
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