ああいうふうになれればなあ、を願望だけに終わらせないでおくには大抵、努力が必要だ。あんなふうに弾けたら、と楽器を買う。そこまではたやすいが、練習となれば根気が続かない
思わぬ恥をかいたりして、外国語もきちんと勉強しなければ、と思いはするものの、思うだけ。そんなことを飽きるほど繰り返すうちに、さめた自分が言う。「できればいいな」は多いけれど、できたためしはあったかね
新春恒例の「歌会始の儀」が開かれたと聞けば毎年のこと「歌もいいね」。次は応募しよう、と思い立ちはすれど、そもそも中学の宿題以来、親しい間柄にない。でも今年こそ
「語りつつあしたの苑(その)を歩み行けば林の中にきんらんの咲く」。天皇陛下は、戦争が終わって初めて目にしたキンランの黄色い花を、現在の日課である皇居散策中に見つけたことを詠まれていた
その時、傍らにいたであろう皇后さまは「語るなく重きを負(お)ひし君が肩に早春の日差し静かにそそぐ」。象徴の重責を担いつつ歩んだ陛下への思いがこもる。平成も残すところ1年と数カ月になった。それを思うと両陛下の歌は、なおさら心に染み渡ってくるようだ
歌会始の記事を再読し、12歳の少年の作品まで味わい、しみじみとなる。互いの心を伝えるのに多くの言葉はいらない。詠んでみますか歌でも一つ。
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