古語辞典で「便利」を引くと意外な意味に出合う。<一日のうちに、飲食(おんじき)・便利・睡眠(すいめん)…止(や)む事を得ずして多くの時を失ふ>。食う、寝ると並んでやむを得ない事と「徒然草」にいう「便利」とは、さて。利を外せば答えが浮かぶ
「不便」と書くと、それはお困りですね、となりかねないが、古語では「ふびん」と読み「都合が悪い」「気の毒だ」、あるいは「かわいがる」
「不便」を気の毒がられても、今日一般の意味で、それが不幸かといえば、そうではないだろう。便利であるのに越したことはないものの、過ぎた便利が不幸を生む場合がある
地方でも居ながらにして、さまざまな商品が手に入るインターネットショップは、便利でありがたい存在だ。ただ迷惑なことに詐欺サイトも横行しているという。昨年下半期だけで約2万件が確認され被害が相次いでいる
欲しい品物を検索すると、詐欺サイトが上位に表示されるというから始末が悪い。代金だけでなく、個人情報やクレジットカード情報が盗まれる恐れもある。被害に遭わないよう、ウイルス対策ソフトは常に最新の状態に、と警察庁。詐欺サイトは、説明文の日本語が不自然なケースもあるそうだ
よくよく注意しネットの世界を歩きたい。「便利」を享受する際は、影の部分にも気を付けていないと、野つぼにはまる。