新装された徳島駅のコンコース=1992年9月

 鉄道関係の明るい話題が上位を飾った。1位は「JR徳島駅が新装開業」で、3位は「阿佐東線が開業」。県都の玄関口が生まれ変わり、県南の住民が待望した路線が実現した。

 徳島駅は、JR四国が複合的な機能を持たせたターミナルビルとして計画し、工事を進めていた。地下2階、地上18階でホテルやショッピングセンターを併設。全体の完成に先立って駅部分がオープンした。

 玄関の前面がガラス張りになり、コンコースには人工大理石を使った。都会的な雰囲気が漂い、1951年に誕生して以来、長く県民に親しまれた旧駅舎から装いが一変した。

 阿佐東線は、海部町(現海陽町)と高知県東洋町を結ぶ8・5キロ。徳島、高知両県や沿線自治体などが出資した第三セクター・阿佐海岸鉄道が運営する。

 後免(現高知県南国市)から古庄(現阿南市羽ノ浦町)までのルートが、敷設予定鉄道路線として指定されたのは大正時代の22年。海部駅以南は国鉄の経営悪化による事業の見直しで、レールが敷かれながら工事が中断されるなど曲折を経てきた。当時の徳島新聞には「阿佐東線 悲願の開業」の見出しが躍った。

 2位は、前徳島市長の逮捕だった。自ら社長を務める林業会社に対して職務に背いて損害を与えた特別背任容疑で逮捕された。

 海の悲劇も起こった。台風が接近していた8月17日、徳島市の大神子海岸で水遊びをしていた帰省中の家族と親類が高波にさらわれ、5人が亡くなった。

 スポーツ界の活躍も目立った。徳島市立高校サッカー部が、宮崎県で開かれた全国高校総合体育大会(インターハイ)で優勝。決勝では市立船橋(千葉)を破った。県勢ではインターハイ、冬の全国選手権を通じて初の全国制覇となった。

 スペインのバルセロナであった夏季五輪には、県内から3人が出場。体操の畠田好章(日体大、鳴門高出)が日本の団体銅メダルに貢献した。

 トップ10入りはしなかったものの、大相撲で脇町(現美馬市)出身の時津洋(時津風部屋)が幕内入りし、11位に入っている。時津洋が99年に引退して以降、徳島県出身の幕内力士はいない。

●平成4年(1992年)
 <1>JR徳島駅が新装開業(9月)
 <2>前徳島市長を逮捕(10月)
 <3>阿佐東線が開業(3月)
 <4>教員が女子児童の裸撮影(6月)
 <5>学校週五日制始まる(9月)
 <6>産廃処理施設を巡り吉野町大揺れ(3月)
 <7>徳島城博物館がオープン(10月)
 <8>大神子海岸で高波、5人死亡(8月)
 <9>徳島市立、初の全国制覇(8月)
 <10>体操の畠田、日本の銅に貢献(7月)