干上がった湖底から民家が現れた早明浦ダム=1994年7月13日、高知県大川村

 1位は「猛暑、少雨の夏、穴吹で39・2度」。太平洋高気圧に覆われた7月11日、穴吹町(現美馬市)で県内観測史上最高の39・2度を記録した。

 7月15日には徳島市で38・4度に達した。同市内では最低気温が25度以上の熱帯夜が7月27日から20日間続いた。35度以上も7月に8日間、8月に5日間あった。

 雨も降らず異常渇水に見舞われた。四国の水がめ・早明浦ダム(高知県)の貯水量が急減し、第3次に及ぶ取水制限を余儀なくされた。

 隣の香川県では水不足が深刻化し、高松市では水の使用が限られる給水制限が行われた。市民生活への影響が広がったため、香川県知事が徳島県知事に支援を要請し、同ダムの発電用用水を生活用水に転用する異例の事態となった。

 2位は「関西国際空港が開港」だった。徳島県の対岸にあり、海外への行き来が身近になると県民の関心を集めた。徳島市の沖洲マリンターミナルと空港を結ぶ高速船が就航した。

 世界を制したのは、海部町(現海陽町)出身でプロボクシングの川島郭志選手。横浜市で行われたWBC世界ジュニアバンタム級のタイトルマッチでチャンピオンに挑み、判定で破った。県人初の世界王者となった。

 3月には四国横断道・藍住―脇町間が開通し、全国唯一だった「高速道路ゼロメートル県」から脱却した。

 公共事業を巡るあつれきも目立った。建設省(現国土交通省)が木頭村(現那賀町)で計画していた細川内ダムについて話し合う県と村の意見交換会は平行線をたどり、対立が激しくなっていく。

 末広有料道路を延伸する徳島東環状線に関しても県と住民がぶつかり合った。予定地の地権者でつくる住民団体が県庁に押しかけ座り込みするなど、反対運動は熱を帯びた。

 10月には早明浦ダム上流の吉野川に、米軍機が墜落し、乗っていた2人が死亡した。県内では南部を中心に米軍機がたびたび目撃されており、住民の間で不安や飛行中止を求める声が高まった。

●6年(1994年)
 <1>猛暑、少雨の夏、穴吹で39・2度(7月)
 <2>関西国際空港が開港(9月)
 <3>川島選手が世界チャンピオン(5月)
 <4>輸入米の販売始まる(3月)
 <5>高速道が部分開通(3月)
 <6>ダム建設で県と村が対立(6月)
 <7>末広道路延伸ルートを決定(5月)
 <8>恐竜の化石発見(6月)
 <9>吉野川上流に米軍機墜落(10月)
 <10>恩山寺前住職を逮捕(2月)