脇町でのロケに臨む田中裕子さん(左から2人目)らに指示する山田監督(右端)=1996年11月

 1位は、脇町(現美馬市脇町)で行われた映画「虹をつかむ男」のロケだった。「寅さん」シリーズで知られる山田洋次さんが監督を務め、22日間にわたって撮影が行われた。

 主役の西田敏行さん、ヒロインの田中裕子さんをはじめ、田中邦衛さん、吉岡秀隆さんらが来県。脇町劇場やうだつの町並みを中心に熱のこもったシーンが収められた。受け入れボランティアは延べ千人、エキストラは500人を超え、連日県内外から訪れた見物客でにぎわった。

 2位は「潜水橋で転落死亡事故相次ぐ」。2月に吉野川に架かる上板町と石井町を結ぶ高瀬潜水橋から車が落ち、男性が死亡した。その後も潜水橋で転落が続き、9人が亡くなった。県は車輪止めをかさ上げする対策工事を実施した。

 全国的に病原性大腸菌「O-157」が猛威を振るった。県内でも7月に徳島市内の2歳児から検出が確認された。警戒が強まり、学校給食から生野菜を外したり、敬老会に出す弁当をやめたりして波紋が広がった。

 スポーツ界の活躍も目立った。アトランタ五輪にはマラソンの大家正喜(徳島東工業高出)、陸上五千メートルの弘山晴美(鳴門高出)ら5選手が出場した。
 宍喰町(現海陽町)出身のプロゴルファー尾崎将司選手が11月、宮崎県であったダンロップ・フェニックスで優勝。日本選手初のプロ通算100勝を達成した。

 海部町(現海陽町)出身のプロボクサー川島郭志選手は、日本選手歴代3位タイとなる6度目の防衛を果たした。尾崎、川島両選手には県民栄誉賞が贈られた。

 政界では、元副総理の後藤田正晴氏が引退した。警察庁長官を経て1976年の衆院選で初当選。自治相、官房長官、法相などの要職を務め、戦後の政治史に大きな足跡を残した。

 10月には、小選挙区比例代表並立制による衆院選が行われた。県内は三つの区に分かれ、1区は仙谷由人(民主)、2区は山口俊一(自民)、3区は岩浅嘉仁(新進)の3氏が当選した。 

●平成8年(1996年)
 <1>脇町で 「虹をつかむ男」 のロケ(11月)
 <2>潜水橋で転落死亡事故相次ぐ(通年)
 <3>O-157を徳島で検出(7月)
 <4>市立動物園にセイロン象が来園(5月)
 <5>アトランタ五輪に県勢5選手が出場(7月)
 <6>尾崎選手がプロ通算100勝(11月)
 <7>後藤田氏が政界引退(9月)
 <8>川島選手が6度目の防衛(10月)
 <9>衆院選小選挙区は3党分ける(10月)
 <10>鳴教大でセクハラ事件(10月)