写真を拡大 「あわドルぐらし」単行本1巻の表紙(ⓒ井上行広(秋田書店)2019)

 鳴門市在住の漫画家井上行広さん(49)が、徳島のローカルアイドル(ロコドル)を主人公にした4コマ漫画「あわドルぐらし」を秋田書店の月刊漫画誌「チャンピオンRED」で不定期連載している。「電車が走っていない」「スダチが必需品」といった徳島の情報や県民性を面白おかしく紹介しながら、都会にはない田舎の良さを発信している。

写真を拡大 「あわドルぐらし」の1場面(ⓒ井上行広(秋田書店)2019)

 

 「あわドルぐらし」の主人公七瀬ナナは、ロコドルとして徳島のPR活動に携わっている。阿波弁全開で、時には徳島の田舎ぶりを自虐的に語りながらも古里愛にあふれたナナと、同僚や四国の他県のロコドルらとのやり取りを通じて、徳島を含む四国各県それぞれの個性や魅力を伝える内容となっている。

 井上さんは大阪府生まれだが、両親は徳島出身。そのため子どもの頃から頻繁に来県しており、渦潮などの豊かな自然が気に入って2013年10月に鳴門へ移住した。県外の知人と徳島生活について話す中で、県の場所さえ知らない人が多いことに驚き、認知度の低さを生かしたギャグ漫画を思い付いた。

 作品はチャンピオンRED15年11月号から連載が始まった。1、2カ月に1回のペースで掲載され、今年4月には単行本1巻が発売された。徳島の読者からは「徳島が舞台になっていてうれしい」「自虐ネタに共感できる」などの声が、県外からは「徳島に行きたくなった」との感想も寄せられている。

 井上さんは作中で紹介する徳島の情報を、県内の親戚から話を聞いたり、インターネットで調べたりして集めているそうで「徳島での暮らしは毎日がネタ探しのようで楽しい」と語る。一方で、まだ身に付いていない阿波弁でせりふを考えるのには苦労しており「間違いがあったらすいません」としている。

 「作品を通じて第2の古里・徳島はもちろん、日本全体を元気にできれば」と意気込む井上さん。「人の温かさや豊かな自然、おいしい食べ物といった徳島の魅力をできるだけたくさん紹介したい。ギャグの要素が強めの作風なので、県内の読者に気軽に読んでもらえるとうれしい」とPRした。

 

 

 いのうえ・ゆきひろ 1969年10月25日生まれ。大阪府出身。93年に手塚賞佳作を受賞した「塚田マン」で漫画家デビュー。代表作に「ドルヒラ」「アクシズのハマーンさん」など。鳴門市在住。