上方落語家の桂きん枝改め四代目桂小文枝さんが、6月15日に鳴門市文化会館で襲名披露公演を行う。小文枝さんの師匠・五代目文枝さんの前名として落語ファンに親しまれ、一門にとっても重要な名跡の復活とあって、東西の人気落語家が集結して華を添える。PRのため徳島新聞社を訪れた小文枝さんが、今後の抱負や公演の見どころを語った。

 「小文枝」は五代目文枝さんが愛着を持って約38年に渡って名乗った名跡だ。小文枝さんは「まだ師匠を覚えている人も多く、襲名すれば比べられてしんどい思いをする」と考え、襲名を2年間固辞していたという。

 しかし、師匠の夫人から「私が『文枝』以上に愛着がある小文枝の名跡を、生きているうちに継いでほしい」と説得され「一生に一度はしんどいことをやってみよう」と決断。師匠の命日である3月12日に襲名した。

 「小文枝を次の世代に引き継ぐためのつなぎ役でいい」とおどける一方で、「上方落語四天王の一人に数えられた師匠の、はんなりして華やかな語り口に近づければ」との言葉には、落語振興に向けた意欲がにじむ。

 演目でも、師匠が得意とした古典に積極的に取り組む。「若旦那と芸者の悲恋を描いた『たちぎれ』なら、師匠は女性の登場人物に重点を置いたけど、私は若旦那の心情に関心がある。噺家が自分の形を作ることが落語の多様性を生み、発展につながるんです」

 徳島で落語会や阿波踊りに参加したことがある小文枝さん。その際につるぎ町で食べた半田そうめんが気に入り、一時は毎年取り寄せていたという。「うどんともひやむぎとも違う、独特の太さと腰の強さにハマっていました」と明かす。

 鳴門での襲名披露公演には、小文枝さんのほか、兄弟子の六代目文枝さん、親交が深い月亭八方さん、「江戸落語のプリンス」と呼ばれる柳家花緑さんら5人が出演し、得意の演目を披露する。

 小文枝さんは「徳島にこれだけ豪華な顔ぶれが集まる機会はなかなかない。襲名披露ならではの口上も楽しめるので、たくさんの方に足を運んでいただければ」とPRした。

 全席指定でS席5000円、A席4000円(当日各500円増)。前売り券は平惣全店や小山助学館本店などで販売しているほか、チケットよしもとなどの各プレイガイドでも購入できる。問い合わせは市文化会館〈電088(685)7088〉。