美馬市は、市内の介護施設や医療施設で働くことを条件に、県外から市内に移住するひとり親家庭への支援制度を設けた。移住者の誘致に併せて、人手不足となっている介護職員や看護師の確保につなげるのが狙い。3月24日まで申請を受け付けている。県地方創生推進課によると、県内の市町村でひとり親を対象にした移住支援制度は初めて。

 対象となるのは、県外に住み、高校生以下の子どもを育てる62歳未満のひとり親。親子で移住し、市が登録する介護施設や病院計15施設のいずれかに就職すれば、家賃を月額上限2万円、養育費を同上限3万円それぞれ1年間、支給する。このほか、転居に当たって引っ越し費用上限10万円、転入学費用定額8万円を支援する。

 看護職は看護師や准看護師の資格が必要だが、介護関係は資格の有無は問わない。資格が無い場合は、介護職員初任者研修などを無料で受けることができる。資格取得にかかる費用は事業所と市が負担する。

 予算は825万円。人口減少や介護・看護現場の人材不足が続く中、2015年度にひとり親家庭への支援制度を導入した島根県浜田市の事例を参考にした。事業を紹介するパンフレットを作ってPRしている。

 市地方創生推進課は「自然豊かな環境で働き、子育てをしてほしい」と呼び掛けている。