徳島市の高校3年生のシンガー・ソングライター床櫻(とこざくら)なつ美さん(17)が1日、東京の大手芸能事務所と所属契約を結んだ。2日には早速、東京で事務所のイベントに出演し、プロ歌手として初ステージを踏んだ。今年は大学受験に向けた勉強を優先しながら曲を書きため、進学後の来年から本格的に活動する。幼い頃からの夢をかなえた床櫻さんは「聴いてくれる人を元気付けられるような歌を届けたい」と意気込んでいる。

写真を拡大  大手芸能事務所入りして念願のプロ歌手となった床櫻なつ美さん

  床櫻さんが入ったのは「プラチナムプロダクション」。俳優の袴田吉彦さんやモデルで女優の菜々緒さん、タレントの小倉優子さん、女性4人組バンド「SILENT SIREN(サイレントサイレン)」など多くの人気芸能人が所属している。

 床櫻さんは、昨年12月に動画サイトAbemaTVの番組「日村がゆく!」の「高校生フォークソングGP」第2シーズン第3回大会で優勝した。この映像を見た事務所関係者から、楽曲の独創性と声のかわいらしさを評価され、契約を打診された。

 床櫻さんは大学で教員免許取得を目指しており、高校在学中にメジャーデビューすることに迷いがあった。事務所に相談したところ「受験を優先させ、進学後に本格的な活動をしてはどうか」と配慮を示してくれたことから、契約を決めた。

 今年は受験勉強の傍ら、メジャーデビューに向けた曲作りとボイストレーニングに取り組む。歌手活動だけでなく、演技やバラエティー番組の仕事も幅広くこなせるように、テレビなどのオーディションが行われる際には上京して受ける。

 2日に原宿であったイベントには、同じ事務所のモデルやアイドルが出演。床櫻さんは、高校の男性教諭に片思いしていた実体験を基に作詞・作曲したボサノバ調の代表曲「生チョコ」など2曲をギターの弾き語りで披露した。観客から温かい拍手や声援を受け「緊張したけど、私のことを知ってもらえてよかった」と手応えを強めている。

写真を拡大  プロ歌手になって初めて臨んだステージでギターの弾き語りを披露する床櫻さん=東京都のベルエポック原宿

 床櫻さんは、音楽好きの父の影響で4歳から歌のレッスン、8歳からはギターの演奏を始めた。2010年12月に結成された小学生バンド「しんまち七色ばんど」ではボーカル兼ギターを担当。シングル「チャイニーシューズ」はビクターエンタテインメントから全国発売された。

 17年からソロの音楽活動を本格化させ、県内外のイベントに出演。エフエムびざんのパーソナリティーや、野球の四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスのホーム戦で球場アナウンスを務めるなど幅広く活躍している。

 床櫻さんは「プロになれたうれしさの半面、自分の手で未来を切り開かなくてはいけないという責任の重みも感じる」と気持ちを引き締めながら「私の持ち味である、自然豊かな徳島で育まれた自由な表現を失わず、メッセージ性のある曲を歌っていきたい」と意気込みを語る。

 その上で「ここまで歌を続けてこられたのは、徳島の皆さんの応援があってこそ。県民に自慢に思ってもらえる存在になることで恩返しできれば」と感謝を述べ「『徳島といえば床櫻なつ美』と言われるようなアーティストになりたい」と目を輝かせた。