小児科の外来、特に夜間や休日の救急外来を受診する時の訴えの中で最も多いのは発熱です。今月は体温・発熱について考えてみました。

 人の体温は暑い時でも寒い時でも常にほぼ一定に保たれています。ただ環境温と同じく体温も早朝に最も低く、夕方に最も高くなります。これを体温の日内変動と言います。とくに子どもでは体温の変動幅が大きく、気温や湿度など環境の影響を受けやすいものです。子どもは体が小さく高温環境では体温が上りやすく、寒冷環境では下りやすくなります。

 体温は脳の視床下部にある体温調節中枢によってコントロールされています。体温を上昇させる必要がある時には肝臓や筋肉で熱の産生量が増加します。体温を低下させる時には体表面の血管を拡張することや発汗することによって体温を下げます。

 子どもは熱を出すことが多いものですが、その原因の多くはウィルス感染症によるものです。体内の高温環境はウィルスの活動を抑制して免疫機構の働きを活性化します。

 発熱は生体にとっては感染に対する防御機構であり、発病初期にあわてて下げる必要はありません。機嫌が良く、食欲もあり、睡眠が十分に取れている時には、しばらく経過を見ます。熱以外の症状に注意し、熱の上がり方や続き方など経過を見ることも必要です。

 ただし発熱は子どもにとって大きな負担になることがあります。発熱に伴う倦怠感や食欲の低下、頭痛や筋肉痛、睡眠障害などは体力の低下を来し、全身状態の悪化を招くことがあります。全身状態を十分に観察して冷やすことや解熱剤の使用を考えます。