徳島県の飯泉嘉門知事は16日の定例会見で、天皇陛下の退位に伴って行政文書の年号を元号から西暦に改める動きがあることについて「国のありよう、アイデンティティーとして元号は必要」と述べ、これまで通り元号を表記する考えを示した。

 知事は天皇陛下の退位を巡って2019(平成31)年1月1日から新元号を適用する案が政府内で浮上していることに関連し、「国民最大の関心事と受け止めている」と述べつつ「元号変更は国民生活に大きな影響を与える」と指摘した。

 政府が新天皇即位の半年から数カ月程度前の新元号発表を想定していることには、公文書などで元号を使っている行政の実態から「事前に発表されるのは非常にありがたい」と歓迎した。

 元号の変更を巡っては、大阪府の松井一郎知事が、25年の誘致を目指す国際博覧会(万博)を踏まえ、政策の工程管理を示す文書の年号表記を元号から西暦に改める意向を示している。

 飯泉知事は西暦表記についてグローバル化の観点での意義を強調し「徳島では既に西暦表記を併用しており、元号変更に伴う大きな混乱は生じない」と述べた。