老朽化した佐那河内村役場の新庁舎建設地について話し合う検討委員会は16日、建設地を佐那河内中学校旧校舎敷地が望ましいとの提言をまとめ、岩城福治村長に提出した。村は近く建設地を決め、2017年度にも基本設計に取り掛かる方針。
提言では、現庁舎を中心とする敷地(1700平方メートル)と中学校旧校舎の敷地(6800平方メートル)に建設する案を比較。建設などにかかるコストが低いことや、敷地が広く、土砂災害警戒区域にかからずに建設が可能なことなどから、「旧校舎敷地案が望ましいと判断する」とした。
村農業総合振興センターで開かれた検討委には、有識者や住民団体の代表ら委員12人が出席した。旧校舎敷地を建設地として提言することに異論は出なかったものの、進入路の拡幅や路線バスの乗り入れなど、交通アクセスの改善を求める意見が上がった。
閉会後、検討委員長の平山文則・岡山理科大工学部教授(建築設計学)が提言書を岩城村長に手渡した。
現庁舎は1968年建設。耐震診断で「耐震性が極めて低い」とされた。村は2015年6月に現庁舎敷地周辺での建て替えを前提とした基本構想をまとめているが、用地交渉が難航し、建設場所が土砂災害警戒区域にかかることなどから、改めて検討するため16年11月に委員会を設けた。