イラスト・伊藤司郎

 加熱式たばこは有効か

 【質問】長年、たばこを吸っています。何度かやめようとしたのですが、やめられませんでした。今度、孫が生まれるのをきっかけにたばこを本気でやめたいと思っています。加熱式たばこはあまり害がないように聞いたのですが、本当ですか。加熱式たばこに変えて徐々にやめていこうと考えています。加熱式たばこにもいろんな種類があるようなので教えてください。

中瀬医院(徳島市富田橋1)中瀬勝則院長

 有害物質紙巻きと同程度 

【答え】家族のために禁煙するのはいいことです。

 日本の喫煙率は年々低下し、2017年の国民健康・栄養調査によると平均17・7%。たばこ離れは加速しています。

 また、加熱式たばこが急速に広がっています。加熱式たばこは、たばこの葉に直接火を付けるのではなく、たばこの葉を加熱してニコチンなどを含んだ蒸気を発生させる方式のたばこです。

 加熱式たばこの影響について、科学的に解明が進んでいます。国立保健医療科学院は含まれる有害物質を分析しています。

 確かに、ベンゼンや一酸化炭素は減少するものの、依存性物質であるニコチンや発がん性のあるホルムアルデヒドなどは紙巻きたばこと同程度検出されています。また、紙巻きたばこに含まれるその他の発がん性物質や、呼吸器・心血管系の障害、胎児の発育・脳の発達への障害を引き起こす有害物質が、加熱式たばこで一律に減少しないことが明らかになっています。

 最近の海外での研究で、加熱式たばこの蒸気に含まれる未知の有害物質により、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が早期に起きる可能性も指摘されています。この病気は徳島県の死亡率が全国1位。対策が急務となっている肺のたばこ病の一つです。

 つまり加熱式たばこによる健康障害は紙巻きたばこよりも小さいとは言えません。発がん性物質には許容範囲がありません。少量でも使用しないことが大切です。

 5月31日は世界保健機関(WHO)が制定した世界禁煙デー。自分ひとりの意志で禁煙に挑戦するのはつらいです。あなたの意志が弱いのではありません。ニコチン依存症という脳の病気です。病気なのでもちろん治療薬があります。禁煙外来を受診し禁煙補助薬を用いると、吸いたい気持ちの8割は消えます。失敗を恐れず何度でも禁煙に挑戦しましょう。いつか必ず生涯禁煙者になれます。

 質問募集

 読者の健康に関する悩みに、県内の専門医がお答えします。病気、体調不良などの症状を詳しく書き、住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号を明記し、〒770-8572 徳島新聞社生活文化部「健康相談」係へ。Eメールはkurasi@topics.or.jpへ。紙上に住所、氏名、電話番号は掲載しません。