アルバムを見ながらまな娘の思い出を話す(左から)美博さん、啓子さんら=徳島市川内町

 世界最高峰の舞台で輝いて―。サッカー女子のワールドカップ(W杯)フランス大会に臨む日本代表「なでしこジャパン」に、徳島市出身のDF市瀬菜々(21)=マイナビ仙台=が選ばれた10日、県内の家族には安堵が広がった。徳島県出身選手がW杯に出場するのは男女を通じて初めて。恩師や同級生からは祝福や期待の声が上がった。

 父美博さん(50)=徳島市川内町宮島錦野、自営業=と母啓子さん(46)=会社員=は午後2時すぎ、娘の代表入りの知らせを知人から聞き、胸をなで下ろした。直前の代表招集を見送られていただけに「最後まで半信半疑だった」と言う。

 市瀬は6歳の時、2人の兄の影響で地元少年団チームに入った。サッカー漬けの毎日を送るうちに男子と肩を並べるくらいの腕前に。卒業文集の目標には「日本代表で世界一になる」と書いた。

 美博さんと啓子さんは三男羽琉君(7)=川内南小2年=らと小中学校時代のアルバムを見ながら「けがには十分気を付け、大きな外国人選手に負けないでほしい」と願った。

 市瀬は川内中でも男子と一緒に練習した。監督だった山田茂美教諭(城西中)は「相手チームが女子だと気付かないほどの体力と技術があった」と振り返り、砂浜での走り込みなど厳しいトレーニングに耐えてきた努力をたたえた。

 「一緒にプレーしたのがすごいことだと改めて実感した。友人としてもファンとしても菜々は誇り」。こう言って喜んだのは、中学時代、クラブチームの鳴門ポラリスLFCで共に汗を流した四国大4年の平島寧々さん(21)=同市佐古六番町。

 周囲の選手を生かすプレーを長所に挙げ「W杯では気後れせず、全力プレーで勝利をつかんでほしい。フランスまで応援に行きたい」と声を弾ませた。

「いつか私も」後輩ら励み

 徳島県内でサッカーに打ち込む女子選手らは、市瀬菜々の日本代表選出を受け「いつかは私も」と夢を膨らませた。

 市瀬が中学時代に所属した鳴門ポラリスLFCの長井乃愛さん(12)=松茂中1年=にとって、先輩は憧れの存在。「小さい頃から見てきたのですごくうれしい。私も日本代表になれるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。

 FC昭和(徳島市)でプレーする榎並光理さん(9)=昭和小4年=は「どんなプレーをするのか楽しみ。相手からボールを奪ってそのままゴールする姿を見たい。テレビでしっかり見て勉強する」と、W杯本番が待ち遠しい様子だった。

 県サッカー協会の河野曉会長(63)は「県内外でプレーする女子選手の中には吉田凪沙(INAC神戸)ら有望株もおり、今回の代表選出は彼女らの刺激や励みになる」と期待を込めた。 (石川浩行)