大川原高原からの夜景。空気が澄み切った日、明かりで埋まる徳島平野から遠く、淡路島、本州まで見渡せた=佐那河内村

 夜景を見たくて佐那河内村の大川原高原に上った。上勝町との境にある旭ケ丸山頂(1019メートル)から東に広がる緩やかな高原で、約900メートルの頂上付近まで車道が通り、気楽に訪ねられる。

 訪れた日は雲一つ無い快晴で空気が澄み、夜景を楽しむには絶好の日だった。西の空を赤く染めて太陽が沈むと、眼下に広がる街並みの中にぽつぽつと明かりがつき始める。

 日没から5分ほどの時間帯は「マジックアワー」と言われ、最も美しい。景色はうっすらと青みを帯び始め、徳島平野を横切る吉野川に架かった四国三郎橋、淡路島につながる大鳴門橋、さらには瀬戸内海を挟んだ本州の兵庫県加古川市付近の明かりまで望めた。

 周囲が暗くなると、地上に瞬く光はイルミネーションのように目に映る。空を見上げるとまばゆいばかりの星空で、1人で眺めるにはぜいたくすぎる時間が過ぎていく。

 美しい夜景は電気の恩恵によって得られている。徳島県で初めて電灯がともったのは1895年1月。明治時代のことだ。大正、昭和、平成と、時代と共に明かりは増え続けてきた。それは人口の増加や繁栄の証しでもあった。

 新しい時代、令和を迎えた。この明かりが途切れず未来に続くことを願っている。