大津市で、歩道にいた保育園児13人と保育士3人の列に軽乗用車が突っ込み、園児2人が亡くなる痛ましい事故が起きた。

 園児らは近くの琵琶湖畔を散歩している途中で、信号待ちをしていた。引率の保育士3人は、園児を車道から離れた位置に立たせ、自分たちは園児を囲うようにして信号を待っていたという。

 直進していた軽乗用車と、右折しようとした乗用車が衝突、はずみで軽乗用車が歩道に乗り上げた。右折車の運転手が前をよく見ていなかった可能性が高い。

 交差点で車同士による事故が起きるのは、珍しいことではない。しかし、今回のような大事故につながる可能性を常に秘めている。

 悲しい事故が再び起きないよう、あらゆる対策を取らなければならない。

 歩道にいるにもかかわらず、子どもが巻き込まれる交通死亡事故は後を絶たない。昨年2月には大阪市で、下校中の聴覚支援学校の児童の列に重機が突っ込み、児童と教員の5人が死傷している。

 7年前には京都府亀岡市で、居眠り運転の車が集団登校中の小学生らをはね、児童、妊婦ら10人が死傷した。この事故を受け、文部科学省は全国にある小学校の通学路を緊急点検し、危険箇所7万4千カ所余りを確認、改善を施している。

 本県でも、交通量が多い地点やガードレールのない箇所など894カ所を洗い出して、県や市町村などがポストコーン(標柱)を設置するなどした。

 だが、保育園の散歩ルートなどは点検の対象になっていない。園外活動に関連する安全管理は、園の運営者に委ねられているのが実情だ。

 県教委によると、通学路の点検作業は現在も計画的に続けられているという。今後は点検対象の範囲を拡大するべきではないか。

 車が出入りする兼ね合いで、ガードレールや防護柵を設置できない道路は多い。ハード面の取り組みには限界があるが、支柱1本さえあれば最悪の結果を防げる可能性もある。適切な対策を関係者で検討してもらいたい。

 ハード面の対策以上に重要となるのは、ドライバーの安全運転意識である。歩行者への配慮が十分かどうか、疑わしいことを示す統計がある。

 日本自動車連盟(JAF)の調査で、信号機がない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている時、一時停止した車は8・6%にとどまった。本県はさらに低い4・4%だった。

 配慮が足りないだけでなく道交法に抵触する事態だ。歩行者重視を徹底したい。

 季節を感じ、地域住民と触れ合うことができる園外散歩は有意義な保育活動だ。しかし、危険と隣り合わせであることを改めて自覚しなければならない。園側は危険が潜んでいないか再点検し、安全をどう確保するか、保護者らと話し合う必要がある。