毎朝、徳島市の千松小の校門前に立ち、児童に「頑張ってるね」「いいあいさつだね」と声を掛ける。「児童数の多い学校なので、子どもたちと接する貴重なチャンス。励みになる一声を掛けたい」。笑顔に気さくな人柄がにじむ。

 教育論になると話は熱を帯びる。「社会のグローバル化などで未来を予測しにくい時代。柔軟に、主体的に道を切り開く。そんなたくましさを持った子どもを育てる教育でありたい」

 重要なのが、来年春に全面実施される新学習指導要領への対応だ。「対話や議論を通じて、『答えは一つでない』『やり方は他にもある』と多様な視点を身に付ける授業が大事になる。校長同士で連携し、責任を持って対応したい」と言う。

 北海道生まれ。小中高での魅力的な教師との出会いをきっかけに「人の人生に関わる仕事をしたい」と教員を志した。徳島は両親の出身地。退職後は故郷に帰ることにしていた親への「人生に一度の親孝行」のつもりで就職先に徳島を選んだ。徳島駅前のワシントンヤシを見て「南国だな」と驚いた。

 思い出深いのは1989年、上皇ご夫妻をお迎えして神山森林公園で開かれた全国植樹祭。神山町の神領小に勤務しており、6校合同の鼓隊を指導して演奏した。「厳しい練習を重ねて臨んだ本番は、胸に迫るものがあった」と振り返る。

 月数回発行している校長室便り「ハーモニー」は、もうすぐ70号になる。「若い先生に負けないよう、しっかり勉強しないとね」。さまざまな本や資料を読みあさって執筆に臨む。59歳。