スマートフォンを見ながら運転する「ながらスマホ」での自転車の衝突事故を減らそうと、徳島県警と徳島文理大の学生が啓発動画を作り、インターネット上で公開している。
動画は4分。自転車に乗りながら片手でスマホを操作している男子大学生が、横断歩道を渡る歩行者とぶつかりそうになる場面などを再現した。
自転車側の視線の動きを撮影した映像もあり、スマホを見ない場合に比べて▽歩行者を見る回数が69%減った▽歩行者を見つけるまでの時間が4・3倍かかった|などの分析結果も示している。
動画は動画サイト・ユーチューブや県警のホームページで公開しているほか、収録したDVDを警察署に備えて交通安全教室で活用する。
ながらスマホの自転車が歩行者を死亡させる事故が相次いだのを受け、県警が徳島文理大に協力を求めた。昨秋から松茂町の県運転免許センターで撮影し、自転車交通安全運動月間(4、5月)に合わせて公開した。
県警交通企画課によると、今年発生した自転車事故106件(3月末時点)のうち、ながらスマホが絡む事故は1件。1月、徳島市の国道沿いを直進していた20代男性が、左折してきた車と接触して軽傷を負った。交通企画課は「ながらスマホは重大事故に直結する危険な行為」と注意を呼び掛けている。