演舞場外で行われた阿波おどり振興協会の総踊り=平成30年8月13日、徳島市

 徳島市の阿波踊りを主催する阿波おどり実行委員会が今夏の開催に向けて協力を求めていた阿波おどり振興協会の山田実理事長が16日、徳島新聞の取材に応じ、遠藤彰良市長の謝罪を条件にしていたこれまでの方針から一転、謝罪にはこだわらない姿勢を示した。山田氏は「市長と協会が協議する場を設けてほしい」と新たな条件を出したものの、市長は同日、「踊りについての協議は、私に権限がない」と応じない考えを明らかにした。

 山田氏は市内の自宅で「今夏の開催まで時間がない。一日も早く問題をクリアしないと踊りを成功させることができない」と説明。「非公開でも構わないので市長に協議の場を作ってもらい、協会の朝日榮作会長らに昨夏の経緯説明を求めたい。謝罪にはこだわらない。実現してくれれば『総踊り』を含めて今夏の開催に全面的に応じる」と話した。

 協会が態度を軟化させた背景には、開催への協力を巡って市長側との膠着状態が続き、譲歩するしか事態が進展しないとの判断があったためとみられる。

 こうした考えを山田氏が示したことに対し、市長は文書で「協議は松原健士郎実行委員長としてもらいたい。振興協会には阿波踊りファンや徳島のため、日頃培った技を存分に披露してもらえることを期待している」とコメントした。

 昨夏の踊りでは、市長が実行委員長を務めた当時の実行委が、振興協会の総踊りを中止にしたことで対立が激化。協会側は4月に実行委事務局が今夏の踊りの協力要請をした際にも「お願いをする前に市長の謝罪が必要だ」と、条件次第では協力しない姿勢を示していた。