県西部の高速交通の要衝である徳島自動車道・吉野川ハイウェイオアシス(東みよし町足代)に、マイカー旅行客らをターゲットにしたミニホテルが、7月に開業する。全国で宿泊に特化したロードサイドホテルを展開する「旅籠屋(はたごや)」(東京)が町の誘致を受けて進出する。高速道のインターチェンジ(IC)から一般道に下りずに利用できる宿泊施設は四国初で、全国でも珍しい。
2階建て14室。1部屋の面積は約25平方メートルで、1~4人程度が宿泊可能。会議室や宴会場、大浴場は併設しない。建設場所はレストランや温浴施設が入る「ふれあい館」の北側で、現在は駐車場として活用している町有地と借地計890平方メートル。オアシス内の施設に加え、近隣店舗も利用できる。
オアシスにはETCを利用したスマートICが設置されており、吉野川サービスエリア(SA)も隣接。徳島道でオアシスを訪れた客は、SAに駐車すればスマートICで下りなくても宿泊できる。
旅籠屋は自家用車で巡る旅行者やビジネス利用者を顧客層とし、高速道付近やSA内など、全国58カ所でホテルを展開。四国では鳴門市など5カ所に進出している。今回の東みよし町進出では、親族の冠婚葬祭などで県西部を訪れる家族連れらの利用も見込む。
甲斐真社長は「地元自治体の熱心な誘致があったことが進出の決め手。広域から人が立ち寄り、併設施設も多いため立地としても好条件」と話している。
東みよし町は宿泊施設がほとんどなく、町商工会などから「人の流れをつくり、地域経済の活性化につなげてほしい」と要望を受けた町が、2008年からホテル誘致を進めていた。
川原義朗町長は「県西部は外国人観光客も増えており、宿泊施設が不足していると感じる。オアシスとの相乗効果も期待したい」と話した。