徳島県病院局が2017~18年度に国の基金交付決定を受けて整備した「県立病院・病院総合情報システム統一化事業」で、国が基金交付を保留したため、県が当初想定していた額より5億円多い約10億円を負担していたことが17日、分かった。県と国との間で事業の認識に相違があるのが背景とみられる。

 同事業では、県立3病院と、徳島大病院が中心になって構築した「阿波あいネット」をネットワーク化し、電子カルテなどで患者情報の共有化を図る。事業費は20億円。

 阿波あいネットは18年度に運用を開始。県内の病院や介護施設など約100カ機関が参加しており、患者らの診療情報を共有している。

 県は17年3月、厚生労働省の「地域医療介護総合確保基金」から事業に対する10億円の交付を要望し、同12月に交付決定を受けた。残りの10億円については、県が5億円を負担し、残る5億円を国の地方交付税で賄う予定だった。

 しかし、今年2月に厚労省から県に事業についての問い合わせがあり、基金交付が保留された。県という同一法人が運営する県立3病院のネットワーク化が、制度の趣旨に反する可能性があると判断されたとみられる。

 県は、予算執行の期限となる18年度末が迫った3月18日、議会の議決を経ない「専決処分」で企業債を発行し、基金交付分の10億円を穴埋めした。企業債の返済のうち、5億円は国の地方交付税が充てられる見込みだが、残りは県の負担となり、医療報酬などの収益から5年間で返すことになる。

 県の担当者は「『阿波あいネット』ともネットワークでつないでおり、県単独のシステムでないことは、国に説明している。基金交付に関し、国から連絡がないので企業債で対応した」と話した。厚労省は「(基金を)交付できるのか事業内容について検討中で、まだ判断できていない」としている。