政府は、「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業に対する規制強化へ本格的に動き始めた。

 対象は、「GAFA」と称される米国のグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コム、日本企業では楽天やヤフーを念頭に置く。夏にまとめる成長戦略に規制の方向性を盛り込む方針で、公正取引委員会が大規模な実態調査を行っている。

 巨大ITによる寡占、独占の弊害が出ている現状からすれば、規制に乗り出すのは遅いくらいである。

 公取委の中間報告では、各社のインターネット通販に出店する5~9割の業者が「規約を一方的に変更された」と答えている。「変更に不利益な内容があった」との回答は対楽天で9割を超えた。

 問題なのは、不利な条件を強いられても、立場の弱い中小企業は受け入れざるを得ない状況にあることだ。

 経済産業省が昨年10月に中小企業など2千社に行った調査では、現在の巨大ITとの取引をやめて販路を切り替えるのは「困難」との回答が6割を超えた。

 そこからは、巨大ITが中小企業から「搾取」する仕組みをつくり上げていることがうかがえる。

 アマゾンがネット通販の出品業者に原資を負担させ、購入者へのポイント還元を義務付けようとしたのは、その一例だ。取引上の強い立場を利用して相手に不利な条件を押しつける独禁法違反(優越的地位の乱用)に当たる可能性があり、公取委が調査に入るとアマゾンは突然撤回した。

 スマートフォンなどで利用される、さまざまなアプリを販売する「アプリストア」も、アップルとグーグルが2大勢力を形成している。アプリ業者はほぼ両社のアプリストアを通じてしか販売できない状況だ。

 巨大ITと中小企業との支配と従属の関係が続けば、公正な競争が阻害される。早急に手を打つ必要がある。

 また、個人情報の扱いも見過ごせない。

 巨大ITは交流サイト、無料の検索、買い物履歴から得た膨大なデータを活用して巨額の利益を上げているが、その実態は不透明だ。

 フェイスブックでは昨年、最大8700万人分の個人情報流出が発覚した。グーグルでも同様の問題が浮上した。ずさんな情報管理にはあきれるほかない。

 一足早く規制強化に乗り出した欧州連合(EU)の取り組みは参考になる。昨年5月に情報管理を厳格化した「一般データ保護規則」を施行しており、フランスでは、グーグルが個人情報収集で利用者に明確な情報を提供しなかったとして、約62億円の制裁金の支払いを命じている。

 IT産業の急成長に、従来の法律や規則が合わなくなってきている。公正かつ自由な競争はどうあるべきかを再定義し、実効性のあるルールを整備しなければならない。