独立行政法人・中小企業基盤整備機構(中小機構)は、国の中小企業政策の中核的な実施機関だ。起業・創業期、成長期、成熟期と各ステージで、商工団体と共に全国358万の中小企業を支援する。

 4月に広報課長に就任したばかり。「中小企業が課題を解決し、元気になって、新しいアクションを起こす。そのための支援事業、活動を広く知ってもらいたい」と話す。 今の中小企業の喫緊の課題として「経営者の高齢化や後継者不足、人手不足、人口減少に伴う国内市場の縮小」を挙げる。専門家集団の中小機構は、全国でのサポート体制の構築による事業引き継ぎの円滑化、ITを活用した生産性の向上、海外での需要開拓の支援で応える。

 3月まで5年間、JR東京駅前に設けた「TIP*S」(ティップス)の立ち上げと運営に携わった。創業や中小企業の新事業展開など、自発的にアクションを起こす人たちの学びの場だ。「新しいことをやるのは不安や心配事がある。テーマを決めてゲストが話し、参加者同士で対話をして、新事業などに踏み出す人材育成の仕組み」と話す。

 ワークショップのゲストには、徳島県内の経営者やNPO法人関係者も招いている。

 大学卒業後「地方都市に活力を」と思い、地域振興整備公団に就職。秋田県などでニュータウン開発に携わった。

 「この10年で『徳島ってどこ?』から『徳島といえば』と声を掛けられることが圧倒的に増えた」と話す。上勝町の葉っぱビジネス「彩」や神山町、美波町の話題を東京でもよく耳にするという。

 古里・徳島の経済、雇用を支える中小・零細企業にも課題は多い。「『中小』というとネガティブなイメージを与えるが、一社一社の中小企業がかけがえのない存在であり、地域と日本の活力の源と信じている」と力を込め、中小機構の豊富な施策の活用を呼び掛けた。

 おち・としゆき 徳島市出身。城西中学、城ノ内高校から一橋大商学部卒。1994年、地域振興整備公団(現中小企業基盤整備機構)に入団。人材支援部TIP*S担当参事を経て現職。横浜市在住。48歳。