「二度あることは三度ある」が本来意味するところは「悪いことは繰り返し起こるから注意せよ」(広辞苑)との戒めのようだ。ただ、永田町では文字通りの意味で最近よく口にされる

 いま国会議員の最大の関心事は、夏に衆参同日選が行われるかどうかだろう。自民党政権は1980年の大平正芳、86年の中曽根康弘両首相の時に同日選に踏み切り、いずれも圧勝した

 過去2回の成功体験は大きい。参院選の度に同日選論が浮上し、安倍晋三首相も3年前の参院選で「同日選をやりたい気持ちもあった」と述べている。「三度ある」と、今回も考えるのは無理もない

 では衆院解散・総選挙の大義名分は何か。その一つに取り沙汰されているのが消費税増税の延期だ。安倍首相は昨年10月、予定通り今年10月に消費税率を10%に引き上げる方針を明言した。とはいえ、当初2015年10月だった増税を2回延期しており、「三度ある」とみる向きは多い

 気になるジンクスがある。元号が変わった時の内閣は全て改元から5カ月以内に退陣に追い込まれている。明治から大正にかけての西園寺公望内閣、大正から昭和の若槻礼次郎内閣、昭和から平成の竹下登内閣である

 同日選で惨敗すれば、安倍内閣が倒れることもあり得よう。冒頭のことわざは、安倍政権への忠言に聞こえなくもない。