飼料になると金時を用いたブランド豚「阿波の金時豚」を生産、販売する上板町の「NOUDA」が、金時豚のふん尿を発酵させて作った堆肥を活用して栽培した野菜の出荷を始めた。「金時豚」のブランド名を生かして、野菜に付加価値を生み出すことが目的。将来的には他の農家に堆肥を提供し、地域の農業振興にもつなげたい考えだ。
同社が耕作する約13アールの畑で、金時豚のふん尿による堆肥を使ってホウレンソウを栽培し、昨年12月から出荷している。主に、鳴門市撫養町の6次産業化を支援する施設「THE NARUTO BASE(ナルト・ベース)」のレストランで料理に活用されている。
レストランではサラダとして提供しているほか、ペーストに加工して都内のレストランにも販売している。
同社の納田明豊社長(37)とナルトベースを運営する会社の大関興治社長(47)が一昨年、生産者と飲食店をつなぐ商談会「とくしま縁日」で知り合い、大関社長が関心を持った。その後、大関社長はホウレンソウを試食し「生で食べられるほど品質が良い。金時豚のブランド力を生かして金時豚から作られた堆肥を活用した野菜として出荷してみては」と提案した。
同社では、近くブロッコリーの栽培を始め、セロリやジャガイモも考えている。このうち、規格外品を飼料として金時豚に与え、「金時豚の循環型農業で作った野菜」としてブランド化を目指しす。
納田社長は「他の農家にも協力してもらい、地域全体に広げていきたい」と話している。