【質問】54歳の女性です。10年前から口内炎がよくでき、舌がピリピリと痛みます。今年2月、タレントの堀ちえみさん(52)がステージ4の舌がんと公表しました。私もそうではないかと不安です。舌がんはどんな病気で、治療はどうするのですか。

 

  触診が可能、早期発見を 

 

【回答】 工藤景子助教・徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔外科学分野

 口内炎がよくできても、2、3週間で治れば心配ありません。また、舌にピリピリした痛みがあっても潰瘍やしこり、あるいは赤や白の斑点のような症状がなければ多くの場合は心配ありません。

 舌がんを含め、口の中にできるがんを口腔(こうくう)がんと言います。口腔がんは、肺、大腸、胃、乳がんと比べると患者数は少なく、がん全体の1、2%にすぎず、発生率は10万人当たりで、1年に5、6人程度です。このため、これまであまり知られていなかったものの、堀さんの公表で一気に認知度が上がりました。

 口腔がんは、できる部位によって、舌がん、歯肉がん、口底がん、頬粘膜がん、口蓋(こうがい)がんなどに分かれます。この中で、舌がんが最も多く、約4割を占めます。

 舌がんの進行度はステージ1~4の4段階に分かれます。ステージ1と2が早期がん、ステージ3と4は進行がんです。ステージ4も転移の状態によりさらに3段階に分かれます。ステージ4と診断されても決して手遅れではありません。きちんと治療して元気に社会復帰した人はたくさんいます。

 舌がんの治療は、手術、放射線、抗がん剤の治療があり、これらの治療を適切に組み合わせて行います。手術は、がんの部分のみを切り取るのではなく、目に見えない周囲への浸潤を考慮して正常部分を含めて大きめに切除します。そのため、手術後は、早期がんの場合でも多少のしゃべりにくさなどの症状が出ます。

 進行がんの場合は、手術による切除範囲が大きくなるとともに、がんが転移した首のリンパ節を周囲の脂肪組織や一部筋肉を含め一塊として切除する必要があるかもしれません。広範囲な切除で大きく欠損した場合は、人工材料や他部位の皮膚、筋肉などの移植で補います。大手術後は会話や食事に支障が出て生活の質が下がります。

 再発や転移がないかを確認するため、手術後は約5年間、定期検診します。舌がんの5年生存率は早期がんで8割から9割。進行がんは5割から7割です。

 早期発見が大切です。口腔がんは肉眼で観察し、指で触ることができるのが大きな特徴です。しかし、口内炎と思って放置し、がんが進行してから受診するケースが少なくありません。気になることがあれば、かかりつけの歯科医院や耳鼻咽喉科に相談してください。

 がんに関する質問は徳島がん対策センター<電088(634)6442>(平日午前8時半から午後5時まで)へ。