徳島市の新町西地区再開発事業の中核施設に位置付けられていた音楽・芸術ホールに代わる施設の建設候補地として▽徳島駅西側のクレメント平面駐車場を中心とした土地(寺島本町西1)▽閉館した市文化センターの敷地(徳島町城内)▽市立動物園跡地(中徳島町2)-の3案が浮上していることが25日、分かった。市は2023年度のホール開館を目指している。遠藤彰良市長は、今年3月末までに建設地を決定する意向を表明しており、2月にも選定委員会を立ち上げる。
候補地に挙がっている土地の面積は、徳島駅西側が約4800平方メートル、文化センター敷地が約4500平方メートル、動物園跡地が約1万8千平方メートル。
文化センター敷地と動物園跡地は市の所有だが、徳島駅西側の土地はJR四国をはじめ、鳴門競艇場行きの無料バスを運行している鳴門市などが所有している。市は地権者にホール建設地として検討していることを伝えているもようだ。
市は新町西地区再開発事業の白紙撤回に伴い、新ホールの建設を決定。市が設けた有識者会議は昨年11月、ホールを早期に整備するとともに、最寄り駅から徒歩圏内に建設するよう提言した。
これを受け、市が徳島駅周辺で建設候補地を探したところ、一定の広さを備えた3カ所が浮上したようだ。
ただ、徳島駅西側はJRなどから土地を購入するか、賃借しなければならず、コストがかさむ恐れがある。文化センターの敷地は3案の中で最も面積が狭く、十分な広さのホールを建設できるか不透明だ。動物園跡地は市の都市計画に基づく「第一種住居地域」に指定されており、ホールを建てるには都市計画法に基づく変更手続きが必要になる。
市が立ち上げる選定委員会のメンバーは、外部有識者ら10人程度になる見込み。
徳島市の音楽・芸術ホール 1991年、市の有識者会議が、音楽ホールや劇場が市内に足りないと指摘し、本格的な施設整備の必要性を提言。これを受け、市は音楽・芸術ホールの建設候補地として市立動物園跡地を検討していたが、2005年12月、原秀樹市長(当時)がホール整備と新町西地区再開発を一体化させる意向を表明し、大小のホールを中核施設とする再開発事業を進めていた。16年3月の市長選で事業に反対する遠藤彰良氏が当選し、事業を白紙化したのに伴い、市は新たなホール整備を検討している。