ブドウ球菌は様々な化膿性病変を引き起こす病気です。特に夏は高温多湿でありブドウ球菌の感染症が増加する季節です。

 ブドウ球菌は様々な毒素を産生するために病気によって特徴的な症状を示します。食中毒、伝染性膿痂疹(とびひ)、トキシックショック症候群、黄色ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群などがブドウ球菌の産生する毒素によって発生する疾患です。

 食中毒はエンテロトキシンと云う毒素による消化器疾患です。食品に付着したブドウ球菌が増殖し、毒素を産生し、この毒素を摂取して食中毒が発病するものです。

 ブドウ球菌による皮膚疾患の代表は伝染性膿痂疹(とびひ)です。感染力が強く、高温多湿の夏に多い疾患です。ブドウ球菌が皮膚に感染すると皮膚の発赤に続いて水疱を形成します。水疱を作るのはブドウ球菌の産生する表皮剥離毒素のためです。

 この水疱の内容は水様透明ですが、次第に濁って膿疱になります。水疱は少しの刺激で破れやすく、びらん面になります。水疱やびらん面にはブドウ球菌が沢山含まれます。この細菌が皮膚の弱い場所や傷のある所に附着すると感染を起こします。

 伝染性膿痂疹の重症タイプが主として新生児に見られるブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群です。発熱に続いて口の周りから目の周り、鼻の周りに発赤、水疱が出現して、その後病変が全身に拡大するものです。

 ブドウ球菌は接触によって感染します。手洗いや手指の消毒が最大の予防です。感染症の標準的予防策を徹底することが大切です。