マージャンを楽しむ人が利用する「雀(じゃん)荘」が減っている。徳島県内ではこの10年で半数近くになった。娯楽の多様化や経営者の高齢化が主な要因とみられる。業界は、喫煙や飲酒をしない「健康マージャン」の普及などに力を注ぐことで、客足を取り戻そうと努めている。
全国麻雀(まーじゃん)業組合総連合会(横浜市)と徳島県警生活安全企画課のまとめでは、雀荘の数は1970年代半ばごろがピークで、全国で約3万6千店あった。それが2015年末時点では9626店と、4分の1近くに減った。
県内では1970年代に200店ほどが営業していたとみられるが、2006年に90店となり、16年10月末時点では51店となっている。
県内の複数の店舗によると、高齢を迎えた経営者が、経営の見通しの厳しさから店をたたむケースが多い。
雀荘を巡る状況は厳しい。レジャーが多様化し、マージャン人口そのものが減少している上、インターネットゲームの普及などで若者客も少なくなっている。受動喫煙を嫌う人に敬遠される傾向もある。ある経営者は「ギャンブルのイメージが強いのもマイナスになっている」と言う。
業界はこうした現状に危機感を募らせており、マージャンのイメージアップを図る取り組みに力を入れる。
徳島市富田浜1の雀荘「リング」では2年前から、水曜日の午前10時~午後4時半を健康マージャンの時間に設定している。「たばこを吸わない」「酒を飲まない」などがルールで、高齢者を中心に毎週15~20人が談笑しながら卓を囲んでいる。
常連という同市内の主婦(64)は「頭や指先をよく使うので、認知症予防になっていると思う。和気あいあいで楽しめるのも魅力」と言う。
同店を経営する県健康麻雀推進実行委員会会長の内村信夫さん(61)=同市中通町1=は「今後も新たな取り組みを企画し、マージャンのマイナスイメージを少しでも払拭(ふっしょく)していきたい」と話している。も払拭していきたい」と話している。