ミケランジェロの「最後の審判」などを再現したシスティーナ・ホール=鳴門市鳴門町土佐泊浦の大塚国際美術館

ゴッホの「ヒマワリ」は7点を一堂に集めて展示している

 ふるさと徳島に貢献した団体や個人を顕彰する徳島新聞賞。55回目となる今回は、大賞に大塚国際美術館、奨励賞に阿波和紙伝統産業会館、特別賞に小松島市の音楽家住友紀人さんが選ばれた。それぞれの活動や思いを紹介する。

【大賞】大塚国際美術館 

入館者500万人に迫る

 世界で唯一の陶板名画を集めた大塚国際美術館が鳴門市に開館してから21年余り。徳島を代表する観光施設として累計入館者数は500万人に迫り、初代館長の故・大塚正士氏が目指した「郷土活性化に貢献できる施設」として着実に実績を積み重ねている。

 複製だからこそできる貴重な作品の展示や現状保存、復元は専門家の評価も高い。システィーナ・ホールではミケランジェロの大作「最後の審判」などを描かれた環境ごと再現。ゴッホの代表作「ヒマワリ」は焼失作品の復元を含む7点を一堂に集めた。

 作品を身近に感じられる企画も意欲的に展開する。ボランティアによる展示解説や、市内の小学4年生を招いた体験学習、片岡愛之助さんらが出演する歌舞伎公演に加え、カフェでは名画ゆかりの料理を提供するなど、多彩な角度からアートを満喫できる。

 昨年はアイドルグループ「Sexy Zone」のマリウス葉さんに施設のPR役を委嘱。県出身のシンガー・ソングライター米津玄師さんがNHK紅白歌合戦でシスティーナ・ホールからの生中継で歌ったこともあり、2人のファンの「聖地巡礼」が急増した。

 これらが追い風となり、2018年度の入館者数は過去最多の約42万人を記録した。館では訪日外国人客を取り込んで一層の入館者増につなげるため、展示や企画のさらなる充実に加え、英語や中国語が話せるガイドスタッフの拡充などに取り組む方針だ。

 受賞を受けて大塚一郎館長は「開館時の狙いだった地域貢献で成果を挙げられ、評価されたことは光栄」と喜び「これを励みに一層の魅力作りを進めて鳴門市の知名度を高め、徳島と言えば大塚国際美術館と言われる存在に育てたい」と決意を新たにした。

 〈大塚国際美術館〉大塚グループが創立75周年記念事業として創業地の鳴門市に1998年3月に開設した、日本最大級の常設展示スペース(延べ床面積2万9412平方メートル)を持つ陶板名画美術館。グループ会社である大塚オーミ陶業の特殊技術を駆使し、オリジナルと同じ大きさに複製した西洋名画千点余りの陶板を展示している。