勝浦町坂本の坂本郵便局がひな人形やミカンといった地域の名物を描いた記念印「風景印」を作り、1日から使用を始める。昨年4月に東京から移住した同町三渓の農業石川美緒さん(29)が図案を考えた。風景印は“ご当地消印”としてファンが多く、同局にも既に、国内外の約600人から押印を求める約千通のはがきが届いている。
風景印は、とび色で直径3・6センチ。ミカンの形で、阿波ミカン発祥の地とされる同町坂本地区をイメージした。中央には、町の名物「ビッグひな祭り」や関連した地区の催し「おひな様の奥座敷」「坂本おひな街道」をPRするため、おひなさまとお内裏さまを配し、地元の稼勢山、坂本八幡神社の「七社七鳥居」を背景に描いた。
町内では、勝浦郵便局が20番札所・鶴林寺の風景印を使用しているが、ビッグひな祭りの観光客らから記念としてひな人形を描いた風景印を求める声が上がっていた。このため、同郵便局の柴田元子局長(52)が、「坂本おんな神楽」のユニホームをデザインした経験がある石川さんに作成を依頼した。
1月中旬に日本郵政のホームページ内にある風景印のコーナーに紹介されると、国内だけでなく中国からも押印を求めるはがきが届いた。
石川さんは「坂本の要素がたっぷりで、かわいいデザインに仕上がった。普段メールを使っている人も、この風景印をきっかけに手紙を書いてもらえれば」と話している。
同郵便局は完成を祝って坂本地区をイメージしたはがきも製作し、桃の節句の3月3日、先着200人にプレゼントする。はがきのデザインも石川さんが担当している。