「自力優勝はかなわなかったが、選手たちは最後までよく頑張ってくれた」。リーグ戦最終盤で一つ勝つことの難しさを痛感した指揮官は、まず34試合を戦い抜いた選手の健闘をたたえ、就任1年目での優勝を素直に喜んだ。

 今季は新人19人が加入。全てが新しい環境でスタートし、手探りでのチームづくりとなった。「選手とのコミュニケーションが大事」との思いで、練習時や試合後には積極的に雑談した。プロ入りを夢みる若手が多い独立リーグの監督らしく、一人一人の特長を見極め、できる限りチャンスを与える起用を心掛けた。

 コミュニケーションの大切さは、2012年からプロ野球・楽天のベースボールスクールで小中学生を指導した経験から得た。「今の若い選手はよく話をして理解させ、納得させないといけない」。オリックスの投手時代などに経験した「言わなくても理解しろ」のスタイルは封印した。

 開幕ダッシュとともに前期Vの分岐点となったのが、終盤のホーム3連戦だ。初戦を落とした夜、覇気が感じられないナインに厳しい口調で言った。「明日は通常練習はしない。おまえたちが考えて球場に集合しろ」。普段とは違う監督の態度に目を覚ました選手たちは2連勝で応え、優勝へ大きく前進した。「選手たちがどう受け止めるか。賭けだったが、何かを感じ取ってくれた」と振り返る。

 リーグ制覇と2年ぶりの独立リーグ日本一へ。そして最大の仕事である、プロ球団へ選手を送り出すためにも休む間はない。神奈川県出身。徳島市で単身赴任。44歳。