イノシシの食害防止のため設けられたグレーチング=上板町の上板試験地

 畑を柵で囲い、出入り口に、歩きづらいよう加工したグレーチング(溝ぶた)を設けることでイノシシの侵入を防げることが、徳島県立農林水産総合技術支援センターの実証試験で分かった。週当たり20頭近くの侵入が確認されていたセンターの果樹園で設置から2年間の侵入数はゼロ。センターは獣害の深刻な地域での活用を勧めている。

 グレーチングは縦3メートル、横2メートルで、鉄製のバーを格子状ではなく、斜めに交差させることで、ひづめのあるイノシシやシカが歩きづらいよう工夫している。グレーチングメーカーのダイクレ(広島県呉市)が開発した。

 センターは2015年2月、上板試験地の約1ヘクタールの果樹園を高さ1メートルの柵で囲い、人や車の出入り口に深さ8センチの溝を掘ってグレーチングを設置した。

 設置前の14年10月中旬から15年1月上旬まで延べ196頭のイノシシが畑の外側で監視カメラにより撮影され、うち90頭が侵入した。設置後は侵入ゼロが続いている。

 センターによると、県内では獣害の増加に伴い、畑を電気柵などで囲うケースが増えている。出入り口にゲートを設置すると通行が不便になる。グレーチングなら人や車が自由に出入りでき、こうした課題を解決できる。

 ダイクレによると、上板試験地と同規模のグレーチングを設置すると、100万円程度かかる。

 実証試験を行ったセンターの小池明上席研究員は「設置には土木工事を伴うため、今後は公共工事として農道や集落全体を防護柵で囲い、出入り口にグレーチングを設けるといった利用法が考えられる」と話している。