徳島市入田町の建治寺と海陽町浅川の四国霊場番外札所・鯖大師本坊で3日、熱の残る灰や炭の上を素足で歩き、一年の無病息災や家内安全を願う「火渡り」が行われた。
建治寺では「節分紫燈大護摩」があり、山伏姿の住職と行者計9人が儀式の後、マツの丸太とヒノキの枝で組んだ高さ約2メートルの護摩壇に点火。勢いよく上がる炎に住民の願い事が記された護摩木約2千本を投げ入れた。火が収まると、熱い灰の上を行者に続いて参拝者約100人が次々と歩いた。
子どもの頃から毎年参加している同市入田町天ノ原の農業、近藤実さん(75)は「無病息災を願った。今年も安心して過ごせそう」と話した。
鯖大師本坊では、法要祭「節分星祭り・大柴燈護摩供」に、信者や行者ら約100人が参加した。丸太で作った高さ約1・5メートルの護摩壇に火を付け、住職らが読経。その後、焼かれた丸太を並べた上を2メートルほど、信者が不動明王に願い事を祈りながら歩いた。
佐賀県多久市の主婦、桑原スミ代さん(65)は「家族の安全を祈った。今年も良い年になりそう」と話していた。