三好高の生徒(中央)から、ホンシメジの培養法を教わる「馬路夢いっぱい会」会員=三好市池田町

三好高の生徒(中央)から、ホンシメジの培養法を教わる「馬路夢いっぱい会」会員=三好市池田町

 三好市池田町の住民らでつくる林業研究クラブ「馬路夢いっぱい会」が高級キノコの一種、ホンシメジの人工培養に乗り出した。10年前に全国の高校で初めてホンシメジの人工栽培に成功した三好高校(同市)が、ノウハウを伝授。市内に自生している種菌を採取して培養し、特産品化を目指す。

 ホンシメジはマツタケよりも希少とされ、高級食材として知られる。菌の力が弱いため人工栽培は困難とされてきたが、同校は押し麦や広葉樹のおがくずを入れた培地(菌床)に種菌を植え付けるといった工夫を重ねて2007年、培養に成功。その後も技術を向上させ、発芽率は90%以上になっている。

 夢いっぱい会はこれまで、同市池田町の黒沢湿原で試験用のホンシメジを採取するなどして、同校に協力。一方で希少植物サギソウの増殖にも取り組み、トヨタ自動車から環境活動助成金300万円を受けた。これを活用し、ホンシメジの栽培実証試験施設を同市池田町馬路に整備した。

 会員は1月23、24の両日、三好高生から培養法を教わり、菌床に種菌を植え付けた。順調に育てば、約130日で収穫できる。今後は実験を重ねながら、近くにトンネル型の大規模な栽培施設を設ける。同校は種菌を提供するとともに、生産工程の低コスト化に向けた研究を引き続き行う。

 三好高2年の中西慶一郎さん(17)は「実験がうまくいくよう、しっかりサポートしたい」。夢いっぱい会の久保進会長(76)は「産地化を成功させ、地域を元気にしたい」と話した。