「前向きに検討する」は何もしない。「対応を協議する」は先延ばしにする。お役所言葉には本音が隠れている場合が多い。それも逆の意味で。「霞が関文学」と言われ、微妙な表現や言い回しを駆使して作った官僚の文書を読み解くには裏読みが必要とされる

 そんな霞が関文学の神髄をズバリ突いた川柳が13日付夕刊の時事柳壇にあった。<消費者庁のらりくらりと美辞並べ>。政府が「まち・ひと・しごと創生会議」で示した創生基本方針案について詠んだものだ

 なるほど方針案では、消費者庁が徳島県庁に置く新未来創造オフィスについて「新たな分析・研究プロジェクトなどを実施する取り組み」を高評価。「恒常的拠点を2020年度に発足させる」と前向きな言葉が並ぶ

 オフィスの規模や人員を拡充した拠点を恒久的に置くというのだから、大成功を収めたと受け取れよう。飯泉嘉門知事も「大変喜ばしい」と歓迎する だが待てよ。本来は東京一極集中に風穴を開けようと、消費者庁の全面移転を目指していたはず。そのために2年もかけて実証実験に取り組んできたのではなかったか

 ところが肝心の全面移転には何も触れていない。「恒常的拠点の設置」が意味するところは何か。霞が関文学の読解法にのっとれば、「全面移転断念」となるのだが。今回ばかりは例外?