街の明かりを川面に映す新町川と、夜空に浮かび上がる眉山=徳島市末広1の徳島みなと公園から撮影

 「水都・徳島」をキャッチフレーズとする徳島市。吉野川の下流域に形成された市街地のランドマークといえば、中央部を流れる新町川と、なだらかな山容で横たわる眉山ではないだろうか。

 この二つを同時に視界に収めながら最も美しく見える場所はどこだろう?カメラを手に市内を回ってみた。ベストポジションと思い選んだのが、助任川と新町川の合流点から河口に向かって延びる徳島みなと公園である。

 遊歩道を歩きながら水面と市街地、眉山がうまく重なる場所を探した。撮影は日没から1時間ほどたった薄暮の時間帯。明かりがともり、にぎやかな市街地に眉山が浮き上がるように撮った。

 撮影中、眉山の山肌を蛍のように動く光の点が見えた。LED照明がついたロープウエーだ。闇に包まれる中、輝きながら上下に動いている。

 眉山はその名の通りどこから見てもなだらかで、眉のように見えることからその名が付いたと伝わる。日本最古の歌集「万葉集」にも<眉のごと雲居に見ゆる阿波の山かけて漕ぐ舟とまり知らずも>との1首がある。

 船王がこの歌を詠んだ奈良時代は1300年ほど前で、海岸線が今よりも内陸部にあったという。当時はどのように見えたのかと想像をかき立てられた。