プラスチックごみの削減には小さな一歩かもしれないが、市民の意識を変える大きな一歩にしたい。

 政府は、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで使われるレジ袋の有料化に乗り出す。長野県で開かれている20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合で、世耕弘成経済産業相は来年4月1日に無料配布の一律禁止を実施する意向を示した。

 省令改正、法令制定のどちらで対応するのか。罰則や売り上げの使い道はどうするのか。制度設計を急ぐべきだ。

 国内で2017年に排出されたプラごみは903万トン。このうちレジ袋は数十万トンとわずかなため、有料化しても大きな効果はないとの意見もある。

 しかし、年間使用量は300億~500億枚に上っており、国民1人が毎日1枚を使い捨てている計算になる。暮らしに密着しているだけに、市民の環境への意識を高める意味は小さくない。

 有料化の際の価格は各事業者に委ねるが、1枚当たり数円~10円を想定している。

 買い物客にとって課金は抵抗があろう。まずはレジ袋削減への理解を広げなければならない。同時にマイバッグの普及や、紙製などの代替品の開発を進める必要がある。

 日本のレジ袋削減の取り組みは周回遅れに等しい。国連環境計画の昨年の報告書によると、127カ国が法規制しており、このうち83カ国が無料配布を禁止している。プラごみによる海洋汚染などの環境破壊が深刻なためだ。

 徳島県民にとっても人ごとではない。県など12自治体で構成する関西広域連合は、大阪湾のプラごみを調査し、レジ袋約300万枚、ビニール片約610万枚が海底に沈んでいるとの推計を発表した。

 調査した大阪商業大の原田禎夫准教授は「水産業に大きな被害が出ている」と指摘する。県民も危機感を持つべきである。

 近年、レジ袋削減に積極的な自治体が出てきている。

 富山県では、「マイバッグ」運動を推進する消費者団体の要請で、県や事業者と県レジ袋削減推進協議会を設立。08年に都道府県レベルで初めて無料配布禁止に踏み切った。県によると、当初10~20%だったマイバッグ持参率は95%にアップし、10年間の削減効果は14億枚に上る。

 滋賀県でも県や市町、事業者、消費者団体などが、府県単位では関西で初めて協定を結び、13年に県内の多くのスーパーで有料化した。

 徳島県は、07年に海部郡の住民の働き掛けで、多くの小売店が有料化しているが、県全体には広がっていない。大手スーパーでは今月、有料化した徳島市のイオンスタイル徳島が第1号となった。

 他の小売業者も国による義務化を待たずに、有料化に前向きな姿勢を見せている。県や関係団体はこれを後押しし、レジ袋削減へ機運を高めてほしい。