堤理恵講師

 上勝町特産の香酸柑橘・ユコウの果汁に、腸内環境を整えて肥満を抑制する効果のあることが、徳島大大学院医歯薬学研究部の堤理恵講師(代謝栄養学)らの研究で分かった。清涼飲料水などへの活用が期待されるとして、ユコウに含まれる有効成分の特定に向けた分析を進めている。

 堤講師らは、20匹のマウスをそれぞれ普通食と高脂肪食を与える10匹ずつの群に分け、両群をさらに5匹ずつのグループに細分化。両群とも一方のグループにはユコウの果汁、もう一方には生理食塩水を1日0・2ミリリットルずつ4週間にわたって飲ませた。この間、ふん便を解析し、腸内細菌の変化を調べた。

 その結果、普通食、高脂肪食の両群とも、ユコウの果汁を飲ませたグループのマウスには、肥満や糖尿病の予防に効果がある善玉菌「アッカーマンシア属菌」の増加が腸内に見られた。特に高脂肪食群のマウスでは、糖を摂取した際に血糖値が過剰に上昇する「耐糖能異常」が改善した。

 果汁中の有効成分として、ノビレチンやヘスペリジンなどを検出しているものの、他にも特定されていない未知の有効成分があるとみて、解明を急ぐ。

 この研究は、県や徳島大、県内企業でつくるグループ「徳島クワトロシトラス」が、とくしま産業振興機構と県の助成を受けて取り組んだ。研究成果は、3月に都内で開かれた日本農芸化学会大会で発表した。

 堤講師は祖父母が住んでいる上勝町に幼い頃からよく訪れていたという。「高齢化で生産者が減っている現状がある。新たな価値を見いだし、ユコウを守っていきたい」と話している。