かずら工芸教室の講師を務める吉野川市川島町児島の北谷愛子さん(66)と夫の正弘さん(71)が、阿波和紙とかずらを組み合わせた特大あんどんを制作した。同市山川町建石のいんべアートスペースで11日から開かれる「よんかいめのひな祭り展」を盛り上げようと企画。約1200体のひな人形が並ぶ会場を風情たっぷりに演出する。
作ったのは円すい形の大小2基で、大きさは高さ約160センチ、直径約70センチと高さ約130センチ、直径約40センチ。同市山川町などで採取した約5キロのかずらを「乱れ編み」の技法で不規則に絡ませて編み、阿波和紙伝統産業会館(同市山川町)で作られた手すき和紙を張り合わせた。内側から電球で照らし、和紙の風合いや躍動感あるかずらの影を楽しんでもらう。
ひな祭り展は地元住民らでつくる「いんべの里地域活性化実行委員会」が主催し、今年で4回目。伝統工芸である阿波和紙を使って演出をしようと、同館の藤森洋一理事長が知り合いで、同市川島町の東児島公民分館でかずら工芸を教えている愛子さんに声を掛けた。
北谷さん夫妻は「かずらと和紙の良さを生かし、会場をぬくもりのある雰囲気に演出したい」と話している。
ひな祭り展では、江戸時代に制作された面長で、切れ長の目が特徴の「享保雛(びな)」をはじめ、阿波和紙や木彫りで作られた人形、地元園児らの作品なども展示。3月12日までの土日曜を中心に、和紙にちなんだ教室や演奏会など多彩なイベントを行う。2月11日は開幕イベントとして四国大生の書道パフォーマンスなどがある。
問い合わせは阿波和紙伝統産業会館<電0883(42)6120>。