保育施設を展開するEduleadと芸能事務所のアソビシステムが協業した「未来のピース保育園」。建物のデザインは増田セバスチャンが担当し、外観は“保育園を見守るキャラクター”としてユニコーンの「ユニキュン」が描かれている(東京・渋谷区千駄ヶ谷)

 裏原宿からほど近い東京・渋谷区千駄ヶ谷の一角、昔からアパレル関係のオフィスも多い閑静な住宅街の三角地帯に、パステルカラーの可愛らしい建物が現れた。その建物は、6月1日に開園したばかりの企業主導型保育所「未来のピース保育園」。同施設は、各地で保育施設を展開するEdulead(エデュリー)。そして、中田ヤスタカ、きゃりーぱみゅぱみゅらが所属する事務所で、ファッションや音楽、ライフスタイル等の“原宿カルチャー”を世界へ発信する活動を行うアソビシステムの協業によって誕生した保育園だ。

【写真】カワイイ! 増田セバスチャンがデザインした園のオリジナルキャラ「パズー」

◆保育内容にもエンタテインメントを取り入れる

 未来のピース保育園は、内閣府が2016年4月より開始した助成制度「企業主導型保育事業」のサポートを受けて作られた保育園。同制度は、待機児童の解消を目的に、企業や地域企業が共同で設置する保育施設の整備費、運営費の助成を行うもので、従業員の子どもはもちろん、地域の子どもも利用することができる施設として近年注目を集めている。今回の取り組みは、千駄ヶ谷に本社を置くEduleadが、同じ渋谷区に事務所を持つアソビシステムに声をかけたことからスタートした。

 現在、東京・埼玉・神奈川で全7園を展開するEduleadの理念は、「未来のストーリーを創る」。各保育園が地域の特徴や文化に応じてコンセプトを考え、そのコンセプトに基づいて園名やロゴ、保育内容を決定、それぞれの施設に“個性”がある点が特徴だ。ここ未来のピース保育園には、「色彩豊かな世界で健やかに成長してほしい」「子どもたちの個と多様性を尊重する場でありたい」という願いが込められており、保育内容にも歌やダンス、音楽、アートなどのエンタテインメントを取り入れていく。なお、これまでアート系の企業とのコラボレーションはあったが、エンタテインメント企業と協業するのは今回が初めてとなる。

 Edulead代表取締役社長の菊地翔豊氏は、「ほかの保育園とは違うカタチで個性を育成していきたい。主体性を重んじた教育を展開することによって、この文化・情報発信地である渋谷区から1人でも多くの主体性を持った子どもたちを卒園させることができるよう、アソビシステムさんと共に取り組んでいきたいと思います」と意気込みを語る。

◆個の時代、未来を育てていくことの大切さ

 ここで改めて気になるのが、保育事業とは一見疎遠に見えるアソビシステムの参画だ。早速、アソビシステム代表取締役の中川悠介氏に尋ねると、「保育事業には以前から関心を持っていた」と話す。

「当社としてこういう保育園が必要だったということももちろんありますが、(参画したのは)どんどん個の時代になってきているなか、エンタテインメントの未来を作っていく、育てていくという意味でも、こういう場所が必要だと思ったからです。より良いエンタテインメントの土壌を作っていくには、幼少期の過ごし方がとても大切。今まで保育園などはなかなか接点のない場所でしたが、今回の取組みを機に私たちが持っているエンタテインメントの力を活用して、いろんな場面で(お子さんたちと)つながっていければと思います。そのことが、今後私たちがエンタテインメント企業として成長していく力になっていくのではないかと考えています。

 今後もEduleadさんと一緒にこういう場所をもっと増やしていきたいと思いますし、あとはスクールやカリキュラムなどのような、新しい学びの場やコンテンツ作りにもチャレンジしていきたいなと思っています。自分たちが持っているコンテンツ力というものを他業種さんと組んで活かしていきたいですね」(中川氏)

◆カラフルな建物のデザインは増田セバスチャンが担当

 開園までに約1年半を要した保育園は、アソビシステムが参画する施設らしく、非常にポップでカラフルな外観・内装だ。施設のビジュアルプロデュースは、アソビシステム所属で原宿のカワイイ文化を軸に国内外で活躍中のアーティストでアートディレクターの増田セバスチャン氏が手がけた。

 ストーリー性のあるデザインとなっており、外観は増田氏がもとの建物の特性を活かしてデザインした、保育園を見守るユニコーン(一角獣)の「ユニキュン」。そして、その中(内装)には、パズルのピースを模したオリジナルキャラクター「パズー」たちが住んでいるという設定。各クラス(0歳~5歳)のシンボルでもある、個性的な7体のパズーを並べると優しい色合いのレインボーカラーになり、多様性を表現しているという。

「園名の『未来のピース』のとおり、1人ひとりの子どもが1つひとつの未来のピース(かけら)だと思い、パズルのピースをモチーフにしました。カラフルな洋服を着たり、髪色を変えた時のワクワクする気持ちをいつまでも忘れないように、カラフルな環境で育まれてほしい。自分自身も国際交流と教育に力を入れているので、こうした施設に関わることができてとても嬉しいです。海外の教育の場を目の当たりにすると、今の日本はどうも勢いがないような気がして、少し前から『今しか未来を作る時間がないんじゃないか』『今なんとかしなければ』というふうに僕自身も思っていました。今後はこういう場所でワークショップをやったり、自分が立ち上げたNPO法人(ヘリウム)とも連携して、新しい日本の社会の在り方を未来に向けて作っていくことができたらいいなと思っています」(増田氏)

 6月16日、未来のピース保育園の開園を記念し、地域内覧会と合わせてペイントイベント『HAPPY WALL PROJECT』が行われた。園の関係者や地域の子どもたちが保育園のエントランスの外壁を皆でペイントするというイベントで、梅雨とは思えない青空の下、多くのこどもたちが集まり笑顔の花を咲かせていた。「ブームを作ることよりも、カルチャーを創る」を理念に掲げるアソビシステムが、保育分野で今後どのような展開を見せ、子どもたちの創造力を広げていくのか。これまでの国内外での実績からも、次の一手が非常に楽しみだ。


徳島新聞Webの「エンタメ(オリコン)」は、記事提供会社からの情報を加工せずに掲載しています。このサイトに掲載している記事の品質・内容については、徳島新聞社は保証せず、一切の責任を負いません。また掲載されている文言、写真、図表などの著作権はそれぞれの発表者に帰属します。徳島新聞Web上のデータの著作権は徳島新聞社に属し、私的に利用する以外の利用は認められません。記事についてのお問い合わせは提供会社までご連絡ください。