私立高等専門学校「神山まるごと高専」の開校計画を発表した設立準備委員会の大南代表(中央)と寺田さん(左から2人目)ら=神山町役場

 神山町の認定NPO法人役員やサテライトオフィス(SO)の代表らが21日、町役場で記者会見を開き、町内にITや人工知能(AI)などの最先端技術が学べる私立高等専門学校「神山まるごと高専」を開校させる計画を発表した。神山に集う人材やSOなど地域の資源を最大限に生かし、2023年4月の開校を目指す。

 開校のおよそ1年半前には文部科学省の認可を得ておく必要があることから、21年秋ごろまでに学校法人の設立やカリキュラムなどの体制を整える。

 計画によると、高専は全寮制で、在学期間は5年。初年度は全国から40人の生徒を募り、町内出身者枠も設ける。ITやAIといった技術のほか、デザイン・アート、心理学など幅広いカリキュラムをそろえ、在学中の起業を支援するなど実践的な力も育てる。

 町内でのフィールドワークや、SOなどから招くゲストの講演を通じて地域住民と協働し、城西高校神山校や県内大学との連携も視野に入れている。講師陣は町内のSOなど企業の経営者も含めて募集する。

 高専の開設希望場所には神山中学校内を挙げている。寮は中学校周辺に新設する考えで、町は今後、関係者と協議する。

 開校にかかる費用は10億円以上。賛同する企業や個人から資金を募る。

 計画は、10年10月に町内にSOを構えた寺田親弘さん(42)=東京都、名刺管理サービスSansan社長=が構想した。数々の挑戦を重ねてきた神山を教育の場に使いたいとの思いから、町民と議論したり全国の私立学校を視察したりして計画を練ってきた。

 その熱心さに認定NPO法人グリーンバレー理事の大南信也さん(66)=同町神領=らも共鳴し、昨年8月に高専設立準備委員会が発足した。準備委には現在14人が名を連ねる。

 この日の会見には委員ら5人が出席。開校に当たり寄付を表明した寺田さんは「神山は多くの人が交流しており、スキルを学んで実践するのにふさわしい町。変化が激しい時代に課題を見つけ解決する力を持った子どもを育てられる学校にしたい」と抱負を述べた。

 準備委の大南代表は「全国から子どもが集まれば、町に多様性が生まれる。新しい動きが次々と起これば、人口減少が進む地域に希望を与えられる」と意気込んでいる。