「全国1位を目指す」と意気込む城東高邦楽部=城東高

「SF交響ファンタジー」を演奏する城東高邦楽部=城東高

 城東高校邦楽部の20人が、映画「ゴジラ」のテーマなどのメドレー曲「SF交響ファンタジー」の演奏に挑んでいる。日本音楽のオーケストラともいえる多彩な楽器編成と長年の伝統を生かし、連日、難曲に取り組んでいる。7月27日に佐賀県で行われる全国高校総合文化祭では初の最高賞を目指す。

 「SF交響ファンタジー」(伊福部昭作曲、秋岸寛久編曲)は、「ゴジラ」のメインテーマをはじめ、「キングコングVSゴジラ」「宇宙大戦争」といった往年の特撮映画のテーマ曲を盛り込んだ華やかな楽曲だ。

 邦楽部は、一箏~三箏、十七弦、尺八、笛、三味線、打楽器の8パート編成。この強みを生かし、本来はオーケストラのために作られた交響曲を、部員たちで協力しながら和楽器で演奏できるように譜面に起こした。

 弦楽器や尺八がしっかりとメロディーを奏で、打楽器が要所でメリハリを付ける演奏は、大怪獣の襲来を感じさせるのに十分な迫力を放っている。尺八のパートリーダーで3年の宇野綾華さん(18)は「この曲なら誰もが持つ和楽器のイメージを覆せる」と自信を見せる。

 日本音楽ではあまりなじみのない半音も多用されているため、当初は楽譜を追うだけでも一筋縄ではいかなかった。十七弦のパートリーダーで3年の川向恭子さん(17)も「半音を出すための横移動が多く、体力的にも厳しい。今までの邦楽曲と違い、当初は正直手に負えないとさえ感じた」と話すほどだ。それでも毎日練習を重ね、手応えをつかみつつある。

 三味線のパートリーダーを務める3年のウォービー・ジャスミン部長(17)は「この選曲はある意味賭け。ミスすれば目立ってしまうけど、強烈なインパクトが残せるはず」と意気込む。

 8日にあわぎんホールで開かれた「こども邦楽」の舞台では、この曲を初披露した。曲がゴジラのメインテーマに差し掛かると、聴衆から「すごい」と感嘆の声が上がった。「ゴジラ」は現在、ハリウッド版映画が公開中ということもあり、注目度は抜群だ。

 とはいえ「ゴジラ」をはじめとして、曲に登場する特撮作品は見たことがない生徒がほとんど。これまでは音源を頼りに演奏してきたが、演奏の質をより高めるためには、作品世界に触れてイメージを膨らませることも重要だ。部員たちは「高文祭の本番までには映画やDVDを見て、士気を高めたい」と声をそろえる。 全国大会まであと1カ月余り。ウォービー・ジャスミン部長は「全員のイメージを一致させて、音のバランスや表現を磨けばまだまだ良くなる。他のどの曲を聞いても最後に城東を思い出してくれるような記憶に残る演奏をしたい。全国1位を目指す」と力を込めた。