日露戦争(1904~05年)の際、国内初のロシア人捕虜収容所が松山市に開設され、一流国入りを目指す日本は捕虜を厚遇した。この史実を基に作られ、鳴門市大麻町のロケ村「阿波大正浪漫バルトの庭」でも撮影された日ロ合作映画「ソローキンの見た桜」(徳島市のユーフォーテーブルシネマで7月4日まで上映中)で、負傷して収容された将校を演じた。

 作品では、手当てした日本人看護師との愛が描かれる。「学校で習った日露戦争は、旅順攻防戦や日本海海戦、ロシアの敗戦といった程度。ほとんど知られていない歴史の一ページを両国の人々が知る機会になれば」と期待する。

 宇宙飛行士や軍のスパイに憧れていたが、多様な人物を演じられる俳優に魅力を感じ、モスクワの演劇大学に進学。在学中の2007年、脇役として映画デビューを果たした。その後も映画やドラマに数多く出演し、演技力を評価されてきた。

 少年時代にソニーのゲーム機で、忍者が登場するソフトを使って遊び、日本に興味が湧いた。「長い鎖国を経て、明治以降に飛躍的な発展を遂げた歴史に関心を持っていた」という。

 徳島や愛媛でのロケに伴って昨年、長年夢見た日本行きが実現。松山城や道後温泉を訪れたことは忘れられない思い出になった。「松山では今も、100人近い元捕虜の墓が丁重に管理されている。深く感謝したい」

 プーシキンらロシアを代表する詩人の作品を朗読するのが趣味で、俳句にも興味がある。モスクワ出身の31歳。独身。