ベートーベンの交響曲「第九」演奏会「世界に広がれ!とくしま”歓喜の歌“プロジェクト」(徳島県、文化立県とくしま推進会議、県文化振興財団主催)が12日、徳島市のアスティとくしまで開かれた。2005人の大合唱団が第九アジア初演の地を歓喜の歌で包み込んだ。
演奏会はベートーベンの「エグモント序曲」で幕開け。続く「第九」では、世界的指揮者で文化功労者の秋山和慶さん(76)のタクトに導かれ、合唱団とオーケストラが力強く、伸びやかにハーモニーを響かせた。昨年(約1800人)を上回る規模の壮大な合唱に約1300人の聴衆は息をのんで聴き入った。
アンコールでは会場の一角に特殊な装置で投影されたバーチャル・シンガーの「初音ミク」が合唱に参加。新たな時代の第九を感じさせる演出に、会場からは盛大な拍手が送られた。
姉の参加した合唱を聴いた加茂名小4年の吉岡純矢君(10)は「一斉に歌い出した時の声の大きさに驚いた」と迫力たっぷりの歌声に感心していた。
演奏会は2018年のアジア初演100周年や20年のベートーベン生誕250年への機運を高めようと、昨年から開かれている。