空から見た徳島北高校=2002年撮影

 城東高校が2021年度入試から全県募集となるなど見直しが進む徳島県公立普通科高校の学区制。以前から見直しの声が大きいのが、徳島北高校の存在だ。徳島市と北島、藍住両町境に位置し、敷地の大半は北島町が占めながら、住所は徳島市応神町吉成字中ノ瀬40―6。第3学区(徳島市)に属し、第2学区(県西北部)の鳴門市は学区外になる。市境と学校までの距離はわずか約500メートル。鳴門市にとっては近くて遠い学校になっている。

 一般的な住宅地図を見ると、徳島北高校の敷地は校舎や運動場など大半が北島町にあり、勝瑞駅側の北門付近が藍住町になっている。地図上だけでは「どの部分が徳島市なのか」と思う人もいるだろう。厳密には、敷地南端に当たる正門付近がわずかに徳島市になっている。ただ敷地面積の割合の大きさから、北島町にあると思っている人も少なくないかもしれない。

 なぜ徳島市の住所になっているのか。学区制が大きく影響している。1997年度に開校した徳島北高校は、徳島市のベッドタウンとして松茂、北島、藍住3町の人口が急増したため、新設された。これらの町は第2学区に属しながら特例で第3学区に通うことができたため、当時あった徳島市内の総選校を増やす必要性に迫られた。

 徳島市川内・応神地区と、下板3町(松茂、北島、藍住各町)で候補地を検討した結果、現在地となったものの、住所が徳島市外になると、第3学区から外れるため、徳島市に住所をせざるを得なかったとみられる。ただ、結果的に鳴門市と近接する状況が生まれた。このため、徳島北高校には自転車で十分通える大麻中学校の生徒も、学区外の狭き門でなければ入学できない。一方、徳島北高校から遠く離れた徳島市南部地域はもちろん、特例で第3学区に通える神山町などは、学区内となっている。

 競争の公平性、選択の自由からすれば、学区制はないほうがいい。ただ存続を求める声は根強い。全県1区にすると、徳島市外から徳島市内の高校に進学する人が増え、徳島市内から徳島市外に通う遠距離通学者が増えるというのが主な理由だ。

 学区制は長年制度として定着しているため、一気に変えると、混乱が生じかねない。さまざまな点を考慮して、県教委は段階的に制度変更を進めるようだ。

 徳島北は城南、城北とともに20年度入試から学区外からの流入率を現行の8%以内から10%以内に引き上げる。どのような影響や効果があるのか分からないが、住んでいる場所で行きたい高校が制限される学区制。徳島北高校近くの県道を通るたびに、目と鼻の先にある鳴門市の人たちは、どのように思っているのだろうかと考えてしまう。(卓)

 《徳島県内公立普通科高校の学区制》地域の高校育成や学校間競争の是正、受験競争の緩和などを目的に1972年度に導入された。学区を県南部(小松島、阿南両市、名東、勝浦、那賀、海部各郡)の第1、県北西部の第2(鳴門、阿波、吉野川、美馬、三好各市、板野、名西、美馬、三好各郡)、徳島市の第3と区分。学区外からの入学者の割合(流入率)を、第1学区が総募集定員の10%、第2学区は同8%、第3学区は学校ごとに定員の8%以内に制限している。佐那河内村と神山、松茂、北島、藍住各町は第3学区の高校にも通える特例が設けられている。併設型中高一貫校の城ノ内、富岡東、川島の3高校の通学区域は県内全域。