徳島県内の企業に就職する大学生らの奨学金返済を肩代わりする2016年度の県奨学金返還支援制度で、定員200人を大きく上回る242人の応募があったことが14日、分かった。初年度の15年度より対象を拡大したことに加え、政府が返還不要の給付型奨学金の17年度創設を決めたことで、奨学金への関心が高まったことも一因とみられる。

 15年度は募集対象者の専攻分野を理工や情報などに限った上、就職先の業種も製造業や情報サービス業などに限定していたこともあり、200人の募集に対して50人しか応募がなかった。

 このため、県は16年度の募集に当たり、学部や業種の制限を取り払い、制度の周知を強化。その結果、県内の大学生107人、関東や近畿、九州・沖縄など県外の大学生61人などから応募が寄せられた。今後、審査した上で助成候補者を決める予定で、毎年度の予算2億円の範囲内で可能な限り認定する。

 若者の県内就職を進める県は「大変ありがたい。確実に就職できるよう支援したい」としている。多数の応募者があった背景には、経済的な理由で進学を諦めないで済むように政府が返還不要の給付型奨学金を創設することも背景にあると分析している。

 県の支援制度は大学生や大学院生、高専生、県外からの移住を希望する30歳以下の既卒者のほか、大学に進学する県内の高校や特別支援学校などの在籍者が対象。県内事業所で3年間就業した場合に支援を始め、就業4~8年目の5年間、日本学生支援機構などから借り入れた奨学金の返還を支援する。助成額は5年間で最大100万円。