昨年11月にビーインググループ内のGIZA studioからメジャーデビューした男性4人組ロックバンド「dps」が、6月19日にファーストEP「カミカゼ」を発売した。PRのため徳島県を訪れたボーカル木村涼介さんとギター森丘直樹さんが、収録曲に込めた思いやデビューから約半年たった現在の心境を語ってくれた。

dpsの森丘直樹さん(左)と木村涼介さん

 ーバンドを結成したきっかけは。

 木村 コンテストがきっかけで、事務所のスタジオやレッスンを受けている時に、森丘さんと出会ったのが始まりです。僕から「何か一緒にできませんか」とダメ元で声を掛けたら、森丘さんがメンバーを集めてくれました。

 森丘 最初はジャンルも決めることなく、いろいろな楽曲のカバーをセッションしました。その中でも、ハードめのロックを演奏した時にメンバー4人の息がピッタリと合った様に感じたので、ロックバンドとしてやっていくことを決めました。

 当時、木村くんは高校を卒業したばかりで、バンドの中でも1番年下でしたが、セッションの時に僕たちメンバーの真ん中で物おじせずに堂々と立って、芯の通った声で歌う姿に心を動かされました。

 ーバンド名「dps」の由来は。

 木村 僕以外は「d-project」という音楽制作プロジェクトのメンバーで、それがないとバンドを結成していなかったと思います。ですので、そこから派生したというイメージと、スペシャルなバンドを目指すということで「d-project」+「special」でdpsというバンド名になりました。

 ーバンドの音楽性は。

 森丘 古き良き骨太なロックンロールと、新たな時代のアレンジワーク、JーPOPのキャッチーさを融合させた新鮮なサウンドになっていると思います。バンドメンバーがロック好きなこともあり、自然とそうなっている部分もあります。

 ー目標にしているバンドは。

 木村 バンド内でそういった話をしたことはありませんが、僕自身、憧れのボーカリストはたくさんいます。その中でも、大先輩であるB’zの稲葉浩志さんには特に憧れます。

 ーファーストEP「カミカゼ」について。

 木村 昨年11月にシングル「タイムライン」でメジャーデビューして、その月にポリフィアのアジアツアーにマーティ・フリードマンさんと共に参加するなど、短期間でたくさんの経験をしました。その経験から成長した僕たちを表すことができた1枚だと思います。

  ーリード曲「カミカゼ」は、ボーカル木村さんのワイルドな歌声と、骨太なロックが印象的な楽曲だ。

 森丘 dpsが作った楽曲は、どの曲もシングルやリード曲として発表できる自信作ばかりですが、その中でも「カミカゼ」は頭一つ抜けていました。

 木村 実は「カミカゼ」というカクテルの名前から付けたタイトルですが、インパクトがあったので、そのままEPのタイトルにもなりました。

 ベースの安井剛志さんが作詞していますが、バンドマンらしい生活をされている安井さんらしい歌詞だと思いました。個人的に「カミカゼばっか飲んで」というサビの歌い出しには、衝撃を受けました。

 森丘 細部までこだわって作ったdpsらしいハードロックのサウンドと歌詞がとてもマッチしていて、現在のdpsを代表する一曲に仕上がっています。

 ー4曲目の「あの頃は何もわからなかった(with Marty Friedman)」はマーティ・フリードマンさんとの共同制作となっている。

 木村 昨年、マーティさんと一緒にアジアツアーを回った時に「何か一緒にやりたいね」と声を掛けてくださったことがきっかけです。そこから、本格的に話が進んでいきました。

 ーバンドとして初めてバラードに挑戦した。

 木村 アジアツアー中にマーティさんに、僕の歌声はバラードでも魅力を発揮できると太鼓判を押してもらいました。そのひと言があって、曲の方向性がバラードとなりました。

 コンセプトの段階からマーティさんにアドバイスしていただいて、演奏でも参加していただきました。バンドの新しい一面と、今後の方向性が広がった一曲になりました。

 森丘 ずっとロックをやってきた僕たちらしさが出ている、ロックの筋が通ったバラードに仕上がっています。

 ーフリードマンさんとの思い出は。

 木村 アレンジ作業やミックス作業にも参加してくださり、「全員の指パッチンを曲に入れてみよう」など、たくさんのアイデアを出していただきました。

 森丘 僕はアジアツアーの前に、別の企画でご一緒したことがあり、一緒に音楽活動をするのは今回で3回目になります。レコーディング現場でもアドバイスをもらいつつ、自分の個性も出したりしながら、レコーディングを行いました。

 -デビューから半年が経過した。

 森丘 インディーズ時代から、目の前のことに全力で取り組んできていたので、自分の中ではあまり変わっていません。ただ、周囲の反応がとても増えたことは、とてもうれしいです。

 木村 関西をメーンに活動していた僕たちの音楽を、全国の方が聴いてくれるようになって本当にうれしいです。

 ー読者にメッセージを

 木村 地元である大阪でのライブがまだ多いですが、全国のいろいろな場所や徳島でもライブができるように頑張ります!

 森丘 いつか徳島でもライブを開くので、県民の皆さんにも新曲を聴いて僕たちのことを知ってもらいたいです。