水辺の楽校近くの土手でソメイヨシノを植える重清東小児童=美馬市美馬町

水辺の楽校近くの土手でソメイヨシノを植える重清東小児童=美馬市美馬町

 統合のため本年度末で廃校になる美馬市美馬町の重清東、重清西両小学校の6年生計34人が17日、近くの中鳥川沿いに桜の苗木を植樹した。2014年から一帯で植樹を行っており、約400メートルの桜並木が住民憩いの場になっている。両校の最後の卒業生となる児童たちは、地域への感謝の気持ちを込めて作業に汗を流した。

 自然体験施設・水辺の楽校から約500メートル東の土手沿いに桜を植えており、17日は土手の東側に隣接する広場で作業を行った。児童は、教員や住民計約20人に教わり、高さ3メートルのソメイヨシノの苗木を30本植えた。

 重清東小の小椋菜々香さん(12)は「私たちの植えた桜が、いつまでも地元の人たちを癒やす存在になってほしい」。重清西小の藤堂櫂君(11)は「地元の人がやさしく植え方を教えてくれて、いい思い出になった」と笑顔を見せた。

 植樹は、住民でつくる水辺の楽校運営協議会が企画し、学校に呼び掛けた。14年2月に初めて、重清西小児童と協議会員が蜂須賀桜を30本植樹。15、16年は重清東小児童も加わってソメイヨシノを50本ずつ植えた。15年から花が咲き始め、住民らが花見に訪れるようになった。

 協議会の千葉昭彦会長(70)=同市美馬町宮西=は「故郷を離れた子どもたちが苦労したときに植樹したことを思い出し、元気に頑張ってもらえたら」と話している。

 美馬地区では、重清西、重清東を含む5校が統合し、4月に美馬小学校が開校する。協議会では、4月以降も美馬小と植樹などで連携していきたい考え。